同じできごとでも職業によって見るポイントが違う

キーワードを書き出しておくと、何かの情報に触れたときに、キーワードをもとに自分の視点からものごとを見られるようになります。

たとえば、日常のできごとを、そのまま書くだけでは、ただの日記ですが、それを「価値観」や「興味」「仕事」のキーワードにつなげて書くと、自分なりの視点の文章が書けるようになります。

日常のできごとを、「価値観」や「興味」「仕事」のキーワードにつなげる思考ができるようになると、今までは「興味ない」「わからない」「難しい」とスルーしてきたようなことにも、自分なりの意見を持つ足がかりができるようになるのです。

同じものごとを見ても、職業によって、視点が異なるのも面白いものです。

たとえば、いろんな職種の人と、イタリアンレストランへランチに行ったとします。

コピーライターである私は、メニューの名前が気になります。

オムライス、とだけ書いてあるのと、「ふわとろ卵のオムライス」だとどっちが美味しそうか、などをつい考えてしまうのです。

ピラティスのインストラクターをしている友人は、座っているお客さんたちの姿勢が気になったり、置いてある椅子の座り心地が気になったりするそうです。

このように「つい」自分の専門分野からものごとを見てしまう、というのはどんな職業でもあるものです。

営業だったら、原価率が気になったり、回転率が気になったりするかもしれません。

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接客業なら、お店の人の挨拶の仕方や、待っている間にお客様に何かできないか、と考えることもあるでしょう。

人から「職業病じゃない?」と言われるようなことが、自分なりの面白い視点になるのです。

日常のできごとを、自分なりの職業視点で語れるようになると、聞き手が「この人の視点は面白い」「自分にはない視点で、視野を広げてくれた」と感じる話になっていきます。

自分の中の職業グセを書き出してみましょう。

つい、こんなふうに見てしまう、ついこういうふうに考えてしまう、と感じることを具体的に書き出してみましょう。

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