大半はわからなくても当然と思えば楽になる
異なる意見を知ったからと言って、すべてに同意する必要はありません。
「私はそう思わないけど、あなたはそう思うんだ」という捉え方でOKです。
何でもかんでも、人に合わせようとしていては、自分の意見は育たないからです。
養老孟司さんの著書『ものがわかるということ』には、「理解しなくても衝突しない方法」として、他人が自分を理解してくれない、あるいは他人のことがよくわからないと、多くの人が悩んでしまう理由が書かれていました。
なぜ、相手のことを理解しなければいけないのか。理解できなくても、衝突しなければいいだけです。
相手の言うことを一から十まで理解しなくたって、ぶつかることは避けられます。
(略)全部をわかろうとするから悩んでしまうのであって、大半はわからなくても当然と思えば楽になります。
相手の考えや意見のすべてを理解することはできなくても、いろんな考えの、いろんな立場の人がいることを知るだけで、自分の視点を広げていくことができます。
スマホの中にはない情報に意識して触れる
講座の受講生さんたちに、「新聞やニュースなどは見ていますか?」と聞くと、「ネットニュースは見ている」「情報はSNSで得ている」という答えが返ってきます。
スマホの中の情報は、自分用にカスタマイズされているものです。
検索履歴からおすすめのものが上位に表示され、SNSでは反応したものと似たような投稿が自動的に上がってきます。
スマホの中ばかり見ていると、偏った意見や情報にしか触れなくなるので、視野が狭くなっていきます。
なので、スマホの中にはない情報に意識して触れる必要があります。
ネットのニュースもSNSの誰かの投稿も、よく読んでみると、「〜と聞いた」「〜と誰かが言っていた」と、転載や又聞きの情報が多いものです。
まず、一次情報を確認する習慣をつけましょう。
一次情報とは、直接の情報源から得られた元のデータや情報のことです。
その情報に信憑性はあるのか。
誰が、どんな目的で、なんのために発している意見や情報なのか。
誰かの意見の一部だけを切り取った見出しだけを見て、「そうなのか!」とわかった気にならず、情報の出所を確認してじっくり内容を確認する習慣をまずつけましょう。