液体の糖質は「ドカンと血糖値を上げる」

【鉄則3】一番いけないのは「液体の糖質」

疲れ知らずで健康な体を保ちたいと考えたときに、絶対に摂るべきではない食材の代表が「液体の糖質」です。

具体的には、液体に大量の糖質が溶け込んでいる清涼飲料水、缶コーヒー(無糖タイプを除く)、エナジードリンクなどです。

「○種類の野菜が摂れる」という売り文句の野菜ジュースや、果汁100%の果物ジュースも同様で、非常に多くの糖質を含んでいます。

野菜ジュース
写真=iStock.com/Angela Ravaioli
※写真はイメージです

私自身、こうしたものは一切、口にしません。私の水分補給は、もっぱらミネラルウォーターで行っています。

ではなぜ、そこまで液体の糖質を避けるのか。

同じ糖質でも、米飯やパンのような固形物なら、嚙んで、胃で消化して……という時間がかかるため、血糖値の上昇も比較的緩やかです。ところが、液体だと消化の手間がいらないため、すぐにドカンと血糖値を上げてしまいます。

この急激な血糖値上昇現象を、専門的には「血糖値スパイク」と表現します。

血糖値スパイクが起きると、上がりすぎた血糖値を下げるために、膵臓からたくさんのインスリンが分泌されます。そして、そのインスリンの作用で、今度は血糖値が下がりすぎ、疲労感や吐き気などの症状を引き起こすわけです。

血糖値スパイクを頻繁に起こしていると、そのたびにインスリンを大量に分泌する必要があり、次第に膵臓が疲弊していきます。やがて、疲れきった膵臓の働きが悪くなって、インスリンを出すタイミングが遅れます。すると、血糖値を下げることが難しくなり、糖尿病を発症します。

野菜ジュースやスポーツドリンクにも糖質がたくさん

つまり、液体の糖質は、慢性疲労の原因になるだけでなく、糖尿病に罹りやすい危険な食材なのです。糖尿病に罹れば、その合併症で腎臓がやられ、さらに疲れやすい体になることは本書の2章で説明した通りです。

気をつけてほしいのは、健康に良さそうな野菜ジュースやスポーツドリンクにも糖質がたくさん含まれていることです。

実際に、学校の部活動でスポーツドリンクを多飲していた中学生が、いきなり高血糖で昏倒こんとうし、救急車で搬送された事例も報告されています。

こうしたケースを「ペットボトル症候群」と呼びますが、若くして重症の糖尿病を発症しているわけで、実に深刻な問題です。

たとえば、コカ・コーラはペットボトル500mLの場合、56.5グラムの糖質を含んでいます。これは、角砂糖14個分に相当します。

とくに炭酸が入っている飲み物は、清涼感にごまかされ甘さに気づきにくくなります。しかし、ためしに蓋を開けたまま放置し、炭酸が抜けた状態で飲んでみると、砂糖水のような甘さに驚くはずです。

つまり、清涼飲料水は、自分が想像しているよりもはるかに多くの砂糖を摂ってしまう飲み物なのです。