太っている人が疲れやすいのは「重いから」だけではない

【鉄則2】カロリーではなく「糖質制限」で痩せる

電車内などで観察していると、瘦せた人より太っている人のほうが、空席に座りたがる傾向があるように感じます。実際に、重い体を支えていれば足も疲れるはずですから、太っている人が座りたがるのは当然のことなのでしょう。

また、太っている人は、少し運動をしただけでもすぐに息が上がります。そのため、運動から遠ざかり、余計に太るという悪循環を招いています。

もっとも、太っている人の疲れやすさは、こうして外から確認できるレベルに留まりません。

彼らは、糖質過多の生活を送っているから太っているわけで、体の中では血糖値の乱高下をたびたび起こしているはずです。その結果、ひどい慢性疲労に悩み、腎臓もくたくたになっている可能性が高いのです。

空腹の我慢もカロリー計算も必要ない

一般的に重度の肥満者は、寿命が10年短くなると言われており、日本人を対象にした国立がん研究センターの研究でも、肥満の場合、死亡率が1.4倍に上がるという報告がなされています。

ですから、疲労予防はもちろんのこと、健康で長生きするためにも、太っている人はダイエットが必要です。

体重計に乗る
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

ダイエットと聞くと、「空腹を我慢しなければならないのだろう」とか「カロリー制限しなければ」と考えるかもしれませんが、それは大きな間違いです。

本書の1章でも説明したように、私たちを、疲れさせ、太らせ、老化させ、病気にしている原因は「糖質」です。つまり、糖質を制限する食事によって、疲労除去、肥満脱却、老化防止、病気予防のすべてが同時にかなうのです。

そして、糖質を制限する食事には、空腹を我慢することもカロリーを計算する必要もありません。

大事なのは「知識」です。

一口に糖質と言っても、血糖値への影響や太りやすさはさまざまです。

また、同じ食材であっても、調理法や口にする時間帯や順番など「食べ方」によっても体への影響が違ってきます。