相手の心を動かす「も」の使い方
名セリフや名コピーなど、世の中には人の心をぐっと掴む名文が存在します。
しかしこの名文、生み出すには持って生まれた才能やセンスが必要です。
でもだいじょうぶ。心をちょっと動かすだけであれば、たった一文字で、誰でも相手に好印象を与えられます。
その一文字とは、ひらがなの「も」です。その威力は日本語最強の一文字と言ってもいいくらいのレベルの高さ。たとえばこんな感じで使います。
×「○○ができるなんてすごい」 → ◎「○○“も”できるなんてすごい」
×「今日のご飯は美味しいね」 → ◎「今日のご飯“も”美味しいね」
いかがですか?
言っていることは同じですが「も」を使うだけで、相手は「いつも自分のことを気にかけてくれている」という気持ちになり、嬉しさを感じてくれます。
「も」が使えるシーンは、性格(思いやり・責任感・面倒見・感受性)、見た目(姿勢・髪型・服装・声)、行動や仕事ぶり(気がきく・あいさつ・丁寧さ・食べっぷり)など多数あり、とても使いやすいのも嬉しいところ。
いつもの言葉をたった一文字変えるだけで、人間関係は何倍もよくなっていきますよ。
「断る」のも言い方ひとつで印象が変わる
「断ると角が立つから何だか苦手……」。そんな心配をする人がいますが、言い方ひとつで相手の印象は大きく変わります。もっともまずいのは、自分の都合だけで「できません」と言う断り方。相手の気持ちを考えていないため、今後の関係が気まずくなります。
そこでおすすめなのができない理由の「大義名分を添える」という断り方です。
大義名分とは「人として、また臣として守るべき道義と節度」(デジタル大辞泉)のことで、これを断る文言に添えるだけで、よほど偏屈な人でない限り、相手は納得してくれます。ポイントは自分ではなく大義名分があるからできない・心苦しいという言い方をすること。
代表的な例は次のようになります。
・ 外せない予定がある場合:×「都合が合いません」 → ◎「数週間前から予定が入っていて」
・ 提示された金額が合わない:×「高すぎます」 → ◎「会社の予算に合わなくて」
・ 行きたくないお誘い:×「ごめんなさい」 → ◎「体調を崩していて」
より丁寧なのは、「心苦しい思い」+「大義名分(できない理由)」+「代替案」をセットに話す方法です。
断り方にもうまい言い方がありますので、ぜひ活用してください。