相手の裏に眠っている「感情」を見よう

聞く力には、話の内容を理解するだけではなく、「相手の感情を理解する」ことも含まれる。そのためには自分の解釈を挟まずにそのまま話を受け止め、相手と同じ風景を見ようとすることが肝要だ。話の内容だけでなく、言葉以外の表情や心の動きをつぶさに観察するようにすれば、聞く力は飛躍的に向上するはずだ。

ビジネス会食
写真=iStock.com/filadendron
※写真はイメージです

自分の解釈を挟んでしまうと、つい話の途中で口を挟みたくなってしまうものである。それをグッと我慢して、言葉をありのまま受け止めるとともに、言葉以外の非言語メッセージにも着目をしよう。具体的には相手の表情・声のトーン・姿勢などである。

往々にして、他者から信頼されない人物は「人の話を真摯に聞けない」ものだ。その人に悪気はなかったとしても、次などは、嫌われるコミュニケーションである。

相手の話を途中で遮って自分の話をする
話が途中なのに求められていない解決策を伝える
自分の意見を言いたくて仕方がなくなり、話が上の空になる

私はつい自分の話ばかりしてしまうタイプだ。今でも人の話を聞くのが苦手である。

話を聞いている時に、意識が自分に向かっていないかを常に意識したい。具体的には「自分が言いたいことを言うのが目的になっていないか」を観察しよう。今まで「人の話を聞かない」と指摘を受けたことのある方は、ぜひ「話の内容だけでなく、表情や心の動きに着目してみる」ことにチャレンジしてほしい。

「人によっては気にするコトバ・振る舞い」を避ける

他意はなくとも、してしまいがちなコミュニケーションの悪例について述べてみたい。

昨今、上司が部下に対してパワハラを指摘されないか怯えているため、昔であれば注意を受けた「当たり前のこと」が見逃される傾向にある。過去に私が百戦錬磨の先輩方から指導を受けたうちのいくつかを紹介するので、役立てていただきたい。

▼「そうなんですよ!」

会食に限らず、目上の方が多い飲み会でさまざまな方からアドバイスを頂く機会があるだろう。その際に「そうなんですよ!」と相づちを打ってしまう方はちらほらいる印象だ。

これは極めて不適切である。自覚している欠点、意識している改善ポイントについて指摘をされた際にしがちなのだが、「それは言われなくてもわかっています」と捉えられてしまうリスクがある。言い換えて「おっしゃる通りですね。今後気を付けてまいります」「貴重なアドバイスをありがとうございます。大変勉強になります」などとしよう。