「ビジネス会食」ではどんなことに気を付ければいいのか。大手広告代理店出身のyuuuさんの著書『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』(ダイヤモンド社)より、一部を紹介する――。

序盤は徹底して「話を聞く側」に回れ

では会食の序盤から中盤にかけてはどのようなスタンスで臨むべきか。

結論から言うと、参加者から話を引き出し、徹底して聞く姿勢を持とう。会食序盤は「ゲストが話したいこと、興味を持っていること」について聞く場だと心得てほしい。自分の熱の込もった話は終盤にとっておき、序盤から中盤は他の参加者の話に耳を傾ければよい。

それでは聞く姿勢とは具体的にどういったものか。相手に楽しく話してもらうコツをリストアップしてみよう。

口角を上げて笑顔を作る
キチンと目を見る
内容に興味を持つ
物理的に前のめりになる
適切な相づちを打つ
リアクションは大きく
プラスの感情表現を多くする

仕事のメールが気になっても携帯をいじらない。携帯を見る際は席を外す

特に気を付けるべきは相づちだ。自分ではまったく意識していないのに「ハイハイハイ」と立て続けに相づちを打ってしまう人は年齢に限らずかなりいる。もちろんその相づちに悪意がないことはわかるが、不快に感じる人もいるため、意識して直したい。その他にも、人を不愉快にさせてしまう癖はある。食事の際に口を閉じず、音を立てて食べるのもそのうちの一つだ。

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写真=iStock.com/kuppa_rock
※写真はイメージです

「相手の名前を呼ぶ」のも極めて有効な一手

しかしながら、相づちも、音を立てて食べるのも、自分ではなかなか気づけないものである。自分の癖に気づくために、日頃から他者のフィードバックをもらっておこう。予め上司に「私の相づちで違和感があるところないですか?」「食事の際に私の所作で不愉快になるポイントはないですか?」と聞いておき、もし指摘を受けたら日々意識して矯正しよう。私も恥ずかしながら、社会人1年目には上司からの指摘を受けて直したものだ。あの時の上司には感謝してもしきれない。

また、コミュニケーションにおいては「相手の名前を呼ぶ」のも極めて有効な一手だ。

心理学で「ネームコーリング効果」といわれるものだが、人は自分の名前を好意的に受け取っていて、名前を呼ばれると相手への好感度が高くなるのだ。細かいテクニックだが相手との信頼関係構築においては使える技術なので覚えておきたい。