怒鳴る客は録音し、謝罪はせず退去を求める

カスハラに該当する要求容態と対応指針(例)

長時間拘束型:顧客が従業員に長時間にわたりクレーム対応を強いて業務に支障がでる
⇒誠意をもった対応をおこなった後、20分程度を超えて要求が続く場合には対応を切替え、上司もしくは専門対応者に対応をバトンタッチし、録音を開始。
⇒そこから30分後においても理解されない場合にはお引き取りを願い、それでも、退去しない場合は警察へ連絡。

リピーター型:電話や来訪を繰り返し不合理な要求をしてくるパターン。
⇒連絡先を確実に取得した上で、不合理な問い合わせの回数が2回で注意、3回目に至ればそれ以降対応できない旨を伝える。
⇒それでも要求が継続する場合は、ブラックリスト化して通話記録を残し、4回目以降は上長が対応。窓口を一本化し、迷惑であり、止めるよう要求する。
⇒それ以降も繰り返された場合には業務妨害罪として警察へ通報。

暴言型:大きな怒鳴り声をあげたり、侮辱的発言、人格否定的な言動がおこなわれる。
⇒止めるように求め、録音を開始。侮辱されたときは、謝罪せず退去を求める。あまりに態度が酷い場合には証拠をもとに提訴。

威嚇・脅迫型:従業員に危害を加えることを予告して怖がらせること。「○○するぞ」という言葉だけではなく、反社会的勢力との繋がりをにおわせたり、異常に接近するなど、暗示的なものも含まれる。
⇒ただちに上長と交代する。中止を求め、応じなければ警察に通報。

このあたりの具体的な切り分けと対処指針は、前編で取り上げたUAゼンセンがガイドラインを公開しているので、参考にされるとよいだろう。

(UAゼンセン「悪質クレームの定義とその対応に関するガイドライン」)

街に立つ警官
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(4)カスハラ対応研修を実施する

教育研修は、可能な限り全員が受講し、かつ定期的に実施することが重要だ。研修内容には、トップのメッセージ内容を含めるとともに、組織として統一設定したルールの内容、取り組みの内容や具体的な事例を加えると効果的である。