家で仕事の話を一切せずにいたら何が起きたか

全国のパパさんは家族に自分の仕事を伝えていますか?

僕はずっと、話さずにいました。

今でこそ、ママとはたくさん話し合って、子どもたちのことも、仕事のことも共有しているんですが、昔は真逆でしたね。家では一切、仕事の話はしませんでした。というのも、心配させたくなかったし、困ってる姿を見せたくなかったから。口には出さずとも、心の中には「家族を安心させたい」「お金の不安なく家族が暮らせるように」という思いがあったから。

仕事が軌道に乗る前の不安定な段階で現状を話しても、ママが不安になるだろうから、だから黙っていた。自分だけ納得していればいいと思っていました。

話し合う夫婦の手
写真=iStock.com/takasuu
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けど、話さないでいると、言い合いになってしまうんですよね。

ママからしたら、何も言わずに仕事に出かけていくけど、会社員でもないし、一体、外で何をやっているのか分からない。僕の親父は蒸発したりしてるから僕もそんなふうになるんじゃないかと不安になっていたみたいです。何も分からないから、ちょっとした不安の種が、知らぬ間にどんどん、大きくなってしまう。

僕は僕で、「なんで信じてくれないんだ」って思っていました。

「説明してもわからないだろう」と思っていた

実際、仕事で得た利益のほとんどは、そのまま事業に投資していたんですね。家に入れるのは30〜40万円くらいだったのに、仕事用に200万円の冷蔵庫をポンと買うから、「なんでそんな使い方するの?」って、ママにとっては理解不能なわけです。

どんな事業をやっていて、なんのためにそれが必要なのか、僕が説明しないから。

一から全部話して、説明して、説得する時間がもったいないって思っていたんです。

その分の時間や労力は仕事で使いたいって。

説明しても分からないと思っていたし、めんどくさかったんだと思います。家族を守ろう、まずは稼がないとって、僕も必死だったので。

たまに説明しようとしても、なんかぼんやりしていたというか。伝えたところで、人が変わるとは本気で思っていなかった。どうせ分かんないだろうっていう、勝手な思い込みで「とりあえず、めんどくさいから話しておく」くらいのテンションでした。

意見がすれ違ったとしても、自分が正しくて相手が間違っていると、無意識にジャッジしていたんです。「いいから待っとけ」「もうすぐやから」とか、なんの説明にもならないその場しのぎの言葉で濁していました。