ハングリー精神は薄く、政治には無関心
2月の春節には故郷に戻り、両親に顔を見せた。父親は建設関係の会社に勤務し、母親は野菜や果物の販売店の経営をしているという。
「春節中は、現地のネット通販で購入した『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』のフィギュアを作っていました。価格は日本円で6000~7000円ぐらい。ほかに遊びと言えばスマホゲームの『王者栄耀(Honor of kings)』にハマっています」
王者栄耀は中国を代表する巨大IT企業テンセントが開発したバトルゲームで、仲間同士で5人のチームを組み、敵陣を攻略する。2015年にリリースされて以降、全世界で爆発的な人気を博し、米調査会社センサータワーによると、24年2月のモバイルゲーム売上高で、同作は約370億円を売り上げ世界トップとなった。
福島第一原発の処理水の海洋放出問題など、相変わらず日中関係は緊張状態が続いている。
「政治的な問題については、あまり関心がないし注目もしていません」
面倒なことには関わりたくないという意識もあるのだろう。ともあれ、日本での留学生活はなかなか快適で充実している様子。ハングリー精神は薄く、余暇時間が多めの学生生活を仲間とともに精一杯楽しみ、政治には無関心で将来を楽観視できている――。何やら一昔前のわが国の大学生のような人々が、日本にやってきているのだった。