青魚は薬味たっぷりで刺身で食べる

DHAは加熱すると、そのほとんどが失われてしまいます。以前の日本人は大量の青魚を食べていたため、それでも十分にDHAを補給することができていました。

青魚を加熱して食べていたのは、青魚が傷みやすいからでした。しかし、輸送技術の進歩によって、鮮度を損なわずに消費者の手元に届くようになりました。

そこで、たまにしか青魚を食べる機会がないなら、DHAがたっぷり含まれている生の状態で食べてしまおうというわけです。

青魚特有の臭みが気になるなら、わさびやしょうがをたっぷり使いましょう。生臭さが消えるだけではなく、わさびとしょうがには血行をよくする働きがあります。

つまり、こうした薬味と一緒に青魚を食べれば、より効果的にDHAを脳へ運ぶことができ、ボケとは無縁でいられるのです。

カツオのたたき
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鮭は最強の抗酸化物質がたっぷり

「アスタキサンチン」という抗酸化物質が話題になっているのをご存じでしょうか。アスタキサンチンは自然界に広く存在する天然の赤い色素で、鮭や海老、カニなどに多く含まれるカロテノイドの一種です。

カロテノイドはトマトのリコピンなど活性酸素を消去することで知られていますが、そのなかでも抜きん出たパワーを持つのがアスタキサンチンです。

アスタキサンチンの抗酸化力はビタミンEの約500倍と大変強く、今のところ史上最強の抗酸化カロテノイドといわれています。

そして、世界でナンバーワンのアスタキサンチンの持ち主は鮭。鮭の身の赤い天然色素に、すぐれた抗酸化作用があるのです。

アスタキサンチンはもともと海藻の色素ですが、海藻を食べたおきあみを鮭が食べるというプロセスを経て、鮭の身に赤い色素が蓄積されます。

鮭は海ではゆっくり回遊していますが、産卵のために川を上るときは食べ物もとらず、ひたすら流れに逆らって川を上っていきます。

川を上るとき、鮭は必死に泳いでいて、活性酸素も大量に発生しているのですが、強力な抗酸化作用を持つアスタキサンチンがそれを抑えているのです。