脳を活性化させる食材は何か。精神科医の保坂隆さんは「脳の働きのために、醤油や味噌、納豆のような大豆製品に含まれるアミノ酸は欠かせない。また『元気で長寿を願うなら、大豆を一生食べ続けるように』という言い伝えがあるように、大豆製品は生活習慣病を予防する食品のエースとして、植物性タンパク質のパワーが認められている。天寿をまっとうした徳川家康の食養生としても、根菜を3種類と野菜を5種類入れた『三根五菜味噌汁』が語り継がれている」という――。

※本稿は、保坂隆、西崎知之『おだやかに80歳に向かうボケない食生活』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

ご飯、みそ汁、焼き魚、納豆などの朝食
写真=iStock.com/TATSUSHI TAKADA
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IQ250の天才青年の食べていた食品

最近は“つゆだく”などいろいろな商品が登場して、かつてほど納豆が苦手という日本人は少なくなりましたが、それでも「あのにおいがどうも……」などという人も少なからずいるようです。

数年前のこと、その納豆がアメリカで話題になりました。きっかけは、ある天才青年の母親の言葉でした。

その天才青年というのは、マイケル・カーニーさん。彼の知能指数はなんと250。20世紀を代表する物理学者のアインシュタインの知能指数が173だったのですから、カーニーさんのすごさがわかります。

彼はわずか10歳で大学を卒業しましたが、じつはこのカーニーさんの母親が日系アメリカ人なのです。その母親の「幼い頃から毎日納豆を食べさせていたため、頭がよくなったのだと思う」という発言が全米に報道され、子育て中の母親たちに注目されたのです。

もちろん、カーニーさんが天才になった理由のすべてが納豆にあるわけではないでしょうが、納豆に含まれているセリンリン酸という物質には脳を活性化する働きがあります。

しかも、大豆が発酵するときに大量に発生するナットウキナーゼという酵素には、セリンリン酸を体内に吸収しやすい状態にする働きがあるので、納豆が脳の活性化に有効なのは間違いないところでしょう。