脳の働きのために良質のアミノ酸は欠かせない
納豆が苦手というなら、醤油や味噌など、ほかの大豆食品を積極的に食べるようにしましょう。
大豆には、私たちの身体に必要不可欠なタンパク質と、体内では合成することができない貴重な8種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれています。そして、醤油や味噌、納豆のような発酵食品に加工すると、アミノ酸が体内に吸収されやすくなるのです。
脳のエネルギー源はブドウ糖ですが、アミノ酸がなければ神経伝達物質のやりとりがうまくいきませんし、良質のアミノ酸を摂取すると認知症が改善するといわれます。つまり、脳の働きのために良質のアミノ酸は欠かせないというわけです。
大豆食品の代表的なものに豆腐があります。手っ取り早くアミノ酸を補充したければ、コンビニででも豆乳を買ってきてゴクゴクと飲みましょう。これなら1分あれば十分です。
豆乳の味が苦手なら、コーヒーショップで「豆乳入りカフェオレ(ソイラテ)」を頼んでみてはいかがでしょうか。そうすれば、コーヒーブレイクのたびに脳を活性化させることができます。
天寿をまっとうした家康の食養生
大豆の話を続けましょう。
「元気で長寿を願うなら、大豆を一生食べ続けるように」という言い伝えがあります。
豆腐、納豆、おから、ゆば、味噌、醤油……などなど。大豆は日本人の食卓に欠かせません。その大豆製品は、生活習慣病を予防する食品のエースとして、植物性タンパク質のパワーが認められているのです。
大豆は「畑の肉」と呼ばれるように、良質なタンパク源です。肉食を禁じている禅寺でも、もちろん大豆はOK。大豆からタンパク質や脂肪を摂取し、荒行に耐えられる心と体をつくっているのです。
歴史上の人物で、天寿をまっとうしたとしてもよく取り上げられるのが、2023年のNHK大河ドラマの主人公でもある徳川家康です。平均寿命わずか38歳の当時、75歳の生涯を生きたのですから、なかなかのものではありませんか。
その家康伝来の食養生として語り継がれているのが「三根五菜味噌汁」です。
「ごちそうは月に二、三度までとして、平素は麦飯と『三根五菜味噌汁』があればよい」という教えです。
「三根五菜味噌汁」とは、根菜を3種類と野菜を5種類入れた味噌汁のことで、野菜をいっぱい入れた味噌汁が、家康にとって「かけがえのない健康食」だったようです。