自己肯定感のターニングポイントは9~12歳
ここで紹介したもの以外にも、さまざまな機関が小中高生向けに「自分のことが好きですか」という調査をしています。どの調査でも、4〜6割の子どもが「自分のことが嫌い」と答え、いずれも自己肯定感のターニングポイントが9〜12歳くらいであると報告されています。このことから、親御さん自身がわが子の自己肯定感の低さに気がつくのも、9〜12歳くらいが多いことが推測されます。
自己肯定感はお子さんが小さいうちからこころがければ、どんどん育っていきます。もちろん、思春期を過ぎても、大人になっても遅すぎることはありません。ただ、子どものほうが、自己肯定感が早く育ちやすいことは事実です。
お母さん、お父さんたちはわが子のことになるとどうしても感情が先走ってしまいがちですが、まずは冷静にこの数字を理解し、子どもと向き合っていきましょう。
「自己肯定感が高い=ポジティブ」?
自己肯定感という言葉は、ここ数年でかなり一般的になりました。
子育て中のお母さん、お父さんからも「うちの子、自己肯定感が低いんです」というご相談を当たり前のようによく聞くようになりました。
それにともなって自己肯定感について、誤解されることも多くなったと感じています。
自己肯定感が高い子はいつでもポジティブで前向きで、自分のことが大好き。だから失敗しても気にしないし、悩んだりしない。
そんなふうに思っていませんか。
また、いつも前向きで元気な子を見たときに、「あの子は自己肯定感が高い」と思ったことがあるのではないでしょうか。
一方で、いつももの静かで、じっくりものごとを考えるような子、目立たない子に対して、「あの子は自己肯定感が低い」と感じたこともあったかもしれません。
自己肯定感が高いことと、ポジティブになることは、けっしてイコールではありません。
陽気で明るくて目立つお子さんの自己肯定感が低いこともあれば、人見知りでおとなしくて目立たないお子さんの自己肯定感が高いこともあります。