大人の“やる気のなさ”を子どもは見ている
自己肯定感と社会状況はリンクしています。
この本を手にとってくださっているお母さん、お父さんが子どもだった時代は、どんどん新しい商品が生まれ、いまよりは将来の夢や希望が見える時代だったと思います。それに比べて、いまは先の希望が見えにくい時代です。ものは豊かになり、便利になったものの、どこか疲れた大人の姿を、子どもはよく見ています。
ちなみにアメリカのギャラップ社が2017年に発表した調査では、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6パーセントで、調査対象139カ国中132位と、日本の大人たちの“やる気のなさ”は統計にも表れています。
また、子どもに目を向けると、追い打ちをかけるようなデータですが、東京、北京、ソウルの3つの都市の小学校4〜6年生約1500〜2000名に「リーダーになりたいか」「勉強できる子になりたいか」「人気のある子になりたいか」「将来のためにがんばりたいか」という質問を投げかけたところ、いずれも東京の子どもが最下位という結果でした(日本青少年研究所2006年調べ)。
日本の子どもは伸びしろだらけ
この子たちが大人になるころには、職場で海外の人と一緒に仕事をすることが増えるでしょう。そのときに、「リーダーになりたい」「将来のためにがんばりたい」と答えた率が低い日本人は、どうなってしまうのでしょうか。
さらには、ユニセフ「レポートカード16」が発表した「子どもの幸福度ランキング」では、日本の子どもの精神的幸福度は38カ国中37位。あらゆる統計でショッキングなデータが示されています。
と、ここまで、一気にデータを紹介してしまいましたが、何がいいたいかというと、ここまで日本の子どもの数字が低いということは、逆に、希望しかないということです。むしろ伸びしろが大きいですから、気づいたわたしたち大人が、自己肯定感を上げていく工夫をはじめれば、子どもは大きく変わっていけるということです。