自己肯定感が高い人になるにはどうすればいいか。心理カウンセラーの中島輝さんは「自己肯定感とは、自分に欠点があっても『わたしのままでOK』と信じられる気持ちのことだ。子どものほうが、自己肯定感は早く育ちやすいが、思春期を過ぎても、大人になっても遅すぎることはない」という――。

※本稿は、中島輝『何があっても「大丈夫。」と思える子に育つ 子どもの自己肯定感の教科書』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

学業のプレッシャーに悩まされ、悲しくて欲求不満のアジア人の少年は学校に行くことを拒否します
写真=iStock.com/Thai Liang Lim

「自分自身に満足している子」は半分以下

いきなりですが、日本の子どもはいま、危機的な状況に陥っています。

「自己肯定感ってそんなに大切なの?」

と思われるお母さん、お父さんたちに、ちょっとショッキングなデータがあります。

内閣府が行った調査によると、「自分自身に満足している」という項目に対して、「満足している」「どちらかといえば満足している」と答えた13歳から29歳の日本の若者の割合は45.8パーセントで、2人に1人にも満たない結果でした(平成26年版 子ども・若者白書 全体版)。

この数字は、他の諸外国(韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン)のなかで最下位でした。諸外国がいずれも71〜86パーセントだったことを考えると、日本の若者たちはかなり自己肯定感が低い状況にあるということは明らかです。

「うまくいくかわからないこと」にも消極的

さらには、

・自分には長所がある
・うまくいくかわからないことにも意欲的にとり組む
・社会現象が変えられるかもしれない
・将来への展望

といった項目も7カ国中最下位となっています。

本当に深刻だと思ったのは、ここにある「うまくいくかわからないことにも意欲的にとり組む」について、「質問の意味がわからない」という子が、わたしが見ているお子さんのなかに多々見られたということ。つまり、「うまくいくかわからないなら、やらないほうがいい」と考えているお子さんがたくさんいたのです。