やることが多すぎて頭がパンク寸前のとき、平常心を取り戻すにはどうすればいいか。柔道整復師の前田祐樹さんは「『あれも、これも』といろんなことをやろうとすると、頭は酸欠になって、パニック症状が出やすくなる。そんな時こそ朝食をゆっくりかんで食べることが大切だ」という――。

※本稿は、前田祐樹『ひとりでできる心ほぐし』(マイナビ出版)の一部を再編集したものです。

納豆をのせたご飯の入った茶碗と味噌汁の入った器とお箸
写真=iStock.com/akatuki-70D
※写真はイメージです

やることが多すぎて頭がパンク寸前

仕事の締め切りに、家族の世話、日常のあらゆること、それだけで手一杯なのに、スマホにはしょっちゅうメッセージが届きます。SNSの更新通知や、ネットサイトのセール案内、推しアーティストの最新情報……。

忙しいのに、気になっちゃう! ということが、きっと日常にはありますよね? 月並みではありますが、「忙しい」という漢字が“心をなくす”と書くように、日々、やらなくてはいけないことで頭をいっぱいにしているとストレスが増え、自律神経は乱れていきます。

それだけでなく、忙しいとイライラして、人に優しくできなくなります。一度に「あれも、これも」といろんなことをやろうとすると、頭は酸欠になって、パニック症状が出やすくもなります。

だから、忙しいときほどゆっくり過ごしてください。とお伝えしたところで、「そんな悠長なことを言ってはいられない! 世の中に取り残される」と、矢継ぎ早に反論されそうです。

1つずつゆっくりね、と猫に話しかけられている人のイラスト
前田祐樹『ひとりでできる心ほぐし』(マイナビ出版)よりイラスト

忙しい時ほど「急がば回れ」

忙しさがもてはやされる現在の社会において、「ゆっくり焦らず、立ち止まりながら心身を休める」なんてことは、世間に逆行すると受け取られるでしょう。それでも、最優先にすべきは心と体の健康です。心身をすこやかに保つには、エネルギーを上手に出し入れしていくことが大切です。エネルギーをためるには、どうしても休憩が必要です。

体をゆっくり休めるのもいいですし、自分の好きなことをする時間を作るのも有効なエネルギーの補給法です。

自分のために時間を使うのは贅沢に感じて後ろめたいし、忙しいのにそんなことをしたら、時間が足りなくなると思うかもしれません。

でも、自分を大切にすればストレスが減り、脳にゆとりが生まれるので、やれることが増えます。「急がば回れ」とは、よく言ったものです。