仕事と公務をこなす超多忙な日々が始まる
「皇室の役目の基本は『国民と苦楽を共にしながら務めを果たす』ことであり、それはすなわち『困難な道を歩まれている方々に心を寄せる』ことでもあると認識するに至りました」
これは4月1日、日本赤十字社に入社した天皇の長女・愛子さんが、宮内記者会の質問に答える形で公表した文書の中の言葉である。
記者からの、「皇族数が減り、公務の担い手が先細ることについて、内親王としてどのように受け止めているか」という質問には、
「公務に携わることのできる皇族の数は、以前に比べて少なくなってきていると承知しておりますが、制度に関わる事柄につきましては、私から発言することは控えさせていただければと思います。私自身は、そのような中で、一つ一つのお務めに丁寧に向き合い、天皇皇后両陛下や他の皇族方をお助けしていくことができればと考えております」
と答えた。
22歳になる愛子さんの動向に注目が集まっている。日赤ではボランティア活動推進室の青少年・ボランティア課に所属して、若手の社会人や学生たちのボランティア活動の育成や研修を行うという。
就職に先立ち、3月26日には三重県にある伊勢神宮の外宮と内宮、27日には奈良県の神武天皇陵を参拝し、卒業と就職の報告をした。
これからは仕事と公務の両方をこなす超多忙な日々が始まる。
「私も『生んでくれてありがとう』と伝えたい」
年頃の愛子さんのお婿さんが誰になるのか。週刊誌の中には候補者リストまで作って掲載するところも出てくるなど喧しい。愛子さんは以前から、結婚相手は「一緒にいてお互いが笑顔になれるような関係が理想的」だといっている。
彼女の描く理想の夫婦像は、両親である天皇・皇后であることは間違いないだろう。
国民の間から「愛子天皇待望論」が澎湃と起きてきたのは、彼女が成人を迎えたときに行われた人生初の記者会見からだったと思う。
そこで愛子さんは、臆することなく自分の言葉で自分の思いを伝えた。そこにはこのような言葉があった。
「『生まれてきてくれてありがとう』という母の言葉に掛けて、私も『生んでくれてありがとう』と(両親に)伝えたいと思います。これからもどうかお体を大切に、長く一緒に時間を過ごせますように、という言葉も添えたいと思います」
多くの国民はこの時、彼女は天皇に相応しい女性だと思ったのではないか。