全体目標を明確に説明する

「個人とチームは、自分たちの仕事がより大きな使命とどのように関連するのかを双方が理解していないかぎり、連携することはできない」と、オハイオ州マウミーの戦略的学習コンサルタント会社、ルート・ラーニングのCEO、ジム・ホーダンは言う。ホーダンは、1つのヒット商品を持つ製薬会社が製品ラインを拡大しようとしていたときの話を例にあげる。問題は、複数のチームが協力して数種類の製品を生産していたのに、チームの販売員は評価の確立した一つの製品だけを売り込んでいたことだった。販売員は売上高に基づいて報酬を支払われていたので、最も売りやすい製品ばかり売っていたのである。会社はやがて報酬体系を見直し、新製品を売り込むことによって製品ライン拡大という会社の目標推進に貢献した販売員に報いるようにした。

良好な人間関係を築く

個人に単独の活動で輝く意欲を持たせながら、同時にチームの業績を高めるには、駆け引きに長けた、EQの高い経営陣の存在が不可欠だ。メリーランド大学ロバート・H・スミス経営大学院の経営学・組織論の準教授、ギラード・チェンはこう語る。リーダーは「チームがやる気になる雰囲気を生み出すよう、チーム全体の地位を引き上げなければならないが、一人ひとりのメンバーにも自分は応援されていると感じさせなければならなない」。

(翻訳=ディプロマット)