個人とチームの評価基準をそろえる
ホームデポが数年前に行った業績管理制度の全面的な見直しを例にとってみよう。アトランタに本社を置くこの巨大企業にとって、第一歩は社員を評価するための基準を全社で統一することだった。それまでは会社全体で150種類以上の評価方式が使われていたのである。
評価基準を統一してから、ホームデポは目標を達成したか、もしくは上回ったチームに与える賞を導入したと、同社の上席コンサルタント、ドン・アレンは語る。チームの業績を評価する基準も、個人の評価基準と同じ4つのカテゴリーで構成された。ホームデポの売り上げがここ数年、目覚ましい伸びを示しているのは、人材管理、IT、マーチャンダイジング、マーケティング・プロセスの大幅な改善の成果でもあるが、この見直しのおかげでもある、とアレンは言う。
評価にピアレビューを盛り込む
チームワークを個人の業績評価の不可欠の一部にするために、ピアレビュー(同僚間の相互評価)を業績評価に盛り込もう。
ハーバード経営大学院のナンシー・ビューリューは、ポートフォリオ・マネジャーの業績評価制度がチームワークを促進するのに大きな効果をあげている投資信託会社の例をあげる。この種の会社では財務面の結果が明らかに重要であり、運用実績の正確かつ客観的な測定値が容易に入手できるので、マネジャーのボーナスの60%は、そのマネジャーが管理しているファンドの運用実績によって決定される。残りの40%は、アナリストやトレーダーなどチームのメンバーから集められた体系的なフィードバックという形で評価され、経営幹部によって分析されるそのマネジャーのチームワークの質によって決まる。
しかし、このような制度を機能させるためには大変な時間と労力が必要だ。この会社はこうした評価を半年ごとに行っている。また、客観的で慎重な評価にするために、フィードバックを寄せるメンバーは自分の意見を裏づける説明を盛り込まなければならない。さらに、後日マネジャーの面接を受ける。