誰かに教えるつもりでブツブツ呟く

覚えにくい内容や難しい内容の場合、声に出しながら書くようにします。ある情報をただ黙読するよりも、書き出したり、ブツブツ呟いたり、声に出したりしたほうが記憶に残ることが知られているからです。これは、プロダクション効果(Production effect)と呼ばれています。

個人家庭教師
写真=iStock.com/carlofranco
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過去の研究では、おもに情報の入力段階において効果が調べられていますが、僕は最初に覚えようとする段階(最初に情報を読んでいる段階)、そして思い出そうとする段階の両方で使うことがあります。

さらに、誰かに教えているフリをしながらアウトプットすると、より効果は高いと思います。「Learning by teaching(教えることで学ぶ)」、「Teaching is learning(教えることは学ぶことである)」とよく言われるように、誰かに教えることは、実際に情報の整理や記憶の定着を促す効果が確かめられています

「プロダクション効果」と「プロテジェ効果」の合わせ技

誰かに教える、または教えようとすることで、その学習内容の理解が深まることをプロテジェ効果(Protégé effect)と言います。興味深いことに、実際に誰かに教えなくても、あとで誰かに教えることを前提に勉強すると、学習効果が高まるという研究報告があります。よく成績の良い生徒が他の生徒に教える光景を見ることがあるかもしれませんが、実はより効果の高い学習をしているのは「教えている側」なのです。

僕は、昔からこうした科学的根拠を知っていたというわけではありません。この「ブツブツ呟いて教えるフリをしながら書き出す白紙勉強法」という僕が行ってきた地味な勉強法が、学習において大切なテスト効果にプロダクション効果とプロテジェ効果を合わせて利用した勉強法であることを、あとになって知りました。