インプット中心の勉強法は効率が悪い
多くの人は勉強に対して、次のようなインプット中心のイメージを持っているのではないでしょうか。
例えば、ある教科書を100ページ読んだAさんと200ページ読んだBさんがいたとします。「どちらの人が多く学びましたか?」と聞かれたら、200ページ読んだBさんと答える人のほうが多いのではないでしょうか。
インプットの量で、学習を評価してしまうこうした考え方は、とても一般的です。できるだけ多くの文章を読む、できるだけたくさん講義を聴く、できるだけインプットの量やそのための時間を増やすことが良い勉強法だと考えている人が多いかもしれません。
しかし、このインプットだけしか行わない勉強方法というのは、科学的には効率が悪いことがわかっています。
「思い出してアウトプットすること」が重要
では、科学的に効果が高いとされている勉強とは、どのようなものでしょうか。実際に効率的な勉強のイメージが図表1です。
勉強した内容を思い出す、記憶から取り出す作業(例えば、覚えたことを白紙に書き出したり、練習問題を解いたり、テストを受けたりすること)について、すでに覚えたことを単に確認する作業であるとか、学習の効果を判定するための作業であると勘違いしている人がいます。
けれども、学習に関する数多くの研究から、思い出す作業、アウトプットすることこそが、記憶を長期に定着させる効果的な勉強法だということがわかっています。