筆者自身が実践した「白紙勉強法」とは

ここで、僕が医学の膨大な知識を覚えなければならない時に使ってきた、そして今でも使う「ブツブツ呟いて教えるフリをしながら書き出す白紙勉強法」を紹介します。

長ったらしい、大そうな名前を付けてみましたが、至ってシンプルな勉強法です。用意するものは次の3つだけです。

●用意するもの
・自分の勉強したい情報:英単語帳、学校の教科書、資格試験の参考書、興味のある分野の本、新聞雑誌など
・白紙:要らないノート、使わないプリントの裏など(僕は、プリンター用紙をよく使いますが、何でも構いません)
・書くもの:自分の好きな書き心地のペンや鉛筆(ちなみに、僕はZEBRAのSARASAClip0.5をよく使っています)

元の情報を見ずに、頑張って記憶を引き出す

やり方も、至ってシンプルです。

まず、英単語のリスト、教科書の章や段落、新聞や本など、覚えたい情報を読みます。その後、その情報を見ないで、覚えたい内容を、白い紙にできるだけ書き出していきます。

その際のポイントは、元の情報を見ない、つまり記憶の手掛かりがない状態で、頑張って記憶から内容を引き出すことです。アクティブリコールの劇的な効果を示したカーピックらの行った研究でも、学習者がしたことは、学んだ内容をただ紙にできるだけ書き出す、パソコンにできるだけ打ち出すというとてもシンプルなものでした。

【図表2】白紙勉強法のやり方
出所=安川康介『科学的根拠に基づく最高の勉強法』(KADOKAWA)

あとに残すためのノートを書くわけではなく、ただアウトプットするためだけなので、文字を綺麗に書く必要はありません。僕はもともと字が汚いので、このアウトプットの書き出しは、自分でも読めないくらいの字で書きなぐることがあります。