部下の意識や行動を変えるための大きなポイント

ネガティブフィードバックで部下の意識や行動が変わるかどうかの大きなポイントは、部下が伝えられたギャップを自分事として捉えて自発的に取り組めるかどうか。自ら考えたり、動いたりするようにならなければ、何も変わらないのです。

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写真=iStock.com/okugawa
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上司からすると、部下の「できない点」は目につきやすいものです。しかし、「できない点」だけでなく「できている点」「感謝している点」を意識的に探し、ポジティブ4、ネガティブ1を常に意識しながら、部下とのコミュニケーションを図るようにしましょう。

そもそも、重箱の隅しかつつかない上司と無気力な部下という関係が続くと、双方にとって対話が負担になるため、業務上の最低限の会話のみという状態になり、フィードバック効果の大前提にある、良好なコミュニケーションが難しくなります。

「ほめるところがない」のは上司と人事の問題

フィードバックの8割はポジティブなものにしてくださいという話をすると、「ポジティブなことを言いたくても、ほめるところが一つもないので、ほめようがないんです」と言ってくる上司の方がいます。そして、「あの人は、本当に困りますよね」など、上司の意見に迎合する人事もいます。

しかし、はっきり言って、それは部下本人にも問題はありますが、主要因は上司と人事の怠慢であり観察眼不足です。もし最初から「ほめるところが一つもない」人材を採用したのであれば採用担当者の責任ですし、最初は能力があったのに活かせていないのであれば配属した人事と配属後の上司に責任があります。

いくら指摘しても問題行動が改善しないのであれば、陰で文句を言わず相応の対応(注意・降格・配置転換・退職勧奨)を行うことも組織として必要な対応です。部下だけを批判する前に、自分たちの責任や改善点に目をむけましょう。