仕事で成果を出し続けるにはどうすればいいか。元結不動密蔵院の名取芳彦住職は「勝って驕る人には油断が生まれ、次に負けることが往々にしてある。自分のやり方が次回も通用する保証はどこにもないにもかかわらず、従前のやり方に甘んじていると、思わぬ落とし穴にはまる。あなたのやり方はすぐに別の人が真似し、中には改良を加える人もいる」という――。

※本稿は、名取芳彦『達観するヒント もっと「気楽にかまえる」92のコツ』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

ビジネスマン
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「我慢」と「目標」をセットにすること

我慢は自分のやりたいことをせずに、目の前のことを耐えてやることなので、嫌なもの、できればしたくないものと思う人は少なくないでしょう。

しかし、我慢は目標とセットで考えれば、その構造はとてもシンプルになります。達成したい目標があれば、我慢はそれほど難しいことではないのです。

私は「お坊さんの修行は大変でしょう」とよく同情されますが、どんな修行にも達成したい目標があります。僧侶資格を取るため、僧都や僧正などの階級アップのため、拝み方や祈禱きとう法を身につけたいなど、さまざまです。

こうした目標を持たない一般の人が僧侶の修行をすれば、三日坊主になるか、過酷さのあまり心身のバランスを崩してしまうでしょう。

社会生活では、困難な場面に直面することが多々あります。それを修行と考えろと言われることがありますが、そう思うには目指す目標が不可欠です。

我慢しなければならない状況になったら、「いったい何のため?」と自問し、自答してみると、乗り越える覚悟ができます。