エンドレスに自社商品・サービスを買ってくれる

これを知っていれば、あなたはクライアントに新しい研修を提案できるでしょう。

あなた「社長、私たちのコミュニケーション研修を受けていただいてありがとうございます」
お客様「あれはよかったですよ。離職がずいぶん減りました」
あなた「ありがとうございます。営業の方々が辞めなくなり、コスト削減をして売上が上がるという目的をある程度達成できましたね。おめでとうございます! 実は新たな研修を開発していて、それを受けていただければ、さらに御社の売上をアップできそうです。一度、詳しくお話しさせていただいてもよろしいでしょうか?」
お客様「ぜひ、聞かせてください!」

こうなれば、あなたはお客様に、「もっとコスト削減ができ、もっと営業の生産性を向上させ、もっと売上を伸ばすためのソリューション(研修)」を販売できます。

その結果、さらなるコスト削減、生産性と売上アップを実現したとします。

すると、お客様は「もっと売上を上げたい」と考えます。もっと売上が上がると、相手は「もっともっと売上を上げたい」と思うでしょう。こうして、お客様はエンドレスにあなたが提案する研修を買ってくれます。

相手の「ニーズの裏のニーズ」がわかっていて、そこに的を絞った提案をすれば、あなたは何度でも自社商品・サービスを販売できるのです。

これは、マーケティング用語で「アップセル」と呼ばれるセールス手法です。

顧客が一度購入した商品と同種で「より上位のもの」を提案して、繰り返し購入してもらうのです。

「ニーズの裏のニーズ」は、お客様の根源的なニーズなので、終わりがないニーズなのです。

終わりのないニーズに対してアプローチすれば、高い再現性をもって、何度でもお客様の購買行動を喚起することが可能になります。

会議をするビジネスパーソン
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです

「0から1に」「1から10に」を意識する

ちなみに、「ニーズの裏のニーズ」に的を絞ってアップセルを繰り返す際には、「マイナスから0にする」のではなく、「0から1にする」、さらに「1から10にする」という意識を持つことが大切です。

歯科医院では、虫歯があって痛みがある状態を、保険範囲内の治療によって痛みのない状態にします。これは「マイナスから0にする」という段階です。

そこからさらに、自由診療で「予防が必要ですね」「矯正をしたほうがいいですね」「ホワイトニングもお勧めです」と提案することによって、アップセルを行います。

これが「0から1にする」「1から10にする」ということです。