どんな仕事に就いても食いっぱぐれることはない

ここまでの説明で、「ニーズの裏のニーズ」の重要性と構造を理解できたと思います。

ここからは、「ニーズの裏のニーズ」を捉える力を持っていることで、具体的に何ができるようになるのか? 実際のビジネスの現場でどのようなことが実現できるのかをお伝えします。

お客様など周囲の人々の「ニーズの裏のニーズ」を理解し、しっかり捉えられるようになると、ムダな仕事が減り、仕事の生産性が高まり、周囲から高い評価と信頼を得られます。

しかし、それだけではないのです。

「ニーズの裏のニーズ」を捉える力を持っていると、この先、どんな仕事に就いても、どんな状況に置かれても、絶対に食いっぱぐれることはなくなります。

「ニーズの裏のニーズ」を叶えるためのお客様の購買行動には終わりがありません。

終わりがない、というのはどういうことを意味するのでしょうか。

あなたがお客様の「ニーズの裏のニーズ」を捉えていれば、

➀その商品を「買い続けてもらう」
➁その商品に加えて「他の商品も買ってもらう」
➂その商品とは異なる「まったく別の商品を買ってもらう」

ことができるのです。

どういうことか、順番に説明していきましょう。

あるニーズが叶えられると、別のニーズが生まれる

まずは、➀その商品を「買い続けてもらう」についてです。

「コミュニケーションを改善したい」という企業の例で解説しましょう。

そこでは、営業が5人も辞めていて、半年間で2000万円のコスト、3000万円の売上が失われるリスクを抱えている。その問題を解決したいという「ニーズの裏のニーズ」がありました。

これを叶えるソリューションが提供されるのであれば、クライアント企業は「買う」という意思決定をしてくれます。

では、研修を買って社員が受講し、問題が解決したお客様は、それで満足して、それ以上の購買行動をしなくなるのでしょうか?

お客様の「ニーズの裏のニーズ」が叶えられてしまったら、そのお客様に対するあなたのセールス活動は「終了」なのでしょうか?

答えはノーです。

「コミュニケーションが改善された結果、営業が辞めなくなった」としても、次は、「もっとコスト削減をしたい」「もっと営業の生産性を向上させたい」「もっと売上を伸ばしていきたい」というニーズが生まれてきます。