あいづちだけでなく“感情リアクション”で反応する

会話をするときにバリエーション豊かにあいづちを打とうとしたり、気の利いたコメントをしたりしようとすると、言葉に詰まってしまうものです。

有川真由美『どこへ行っても『顔見知り』ができる人、できない人』(PHP研究所)
有川真由美『どこへ行っても『顔見知り』ができる人、できない人』(PHP研究所)

会話を楽しんで親しくなろうとするなら、むずかしく考えないほうがいいのです。

「えー?」「おお!」「やったー!」と素直な“感情リアクション”のほうが、相手も話しやすく、だんだん乗ってきます。顔の表情や声のトーン、ジェスチャーも合わせて、3割程度オーバーめに返したほうが、相手にとってはちょうどいいはずです。

私はセミナーをするとき、まず受講者のなかから、目をキラキラさせて大きく頷いたり、声を出して笑ったりして、楽しそうに聴いてくれている人を探します。

ときどき、その人に目をやると、「よしよし、ちゃんと聴いてくれている」「楽しそうにしてくれている」と安心して、どんどん話したくなります。

反対に、なにを話しても無表情な人が目につくと、「つまらないのかな」と心配に。あとから個人的に話すと「面白かったです!」なんて言ってくれるのですが、無表情な人はなにを考えているかわからないので、本人が思う以上に、気になるものです。

感情リアクションは、喜び、楽しさ、怒り、悲しさ、面白さ、納得感などいろいろありますが、もっとも会話を盛り上げてくれるのは、驚きのリアクションです。

会話上手な人は、まるでお笑い芸人のように驚くのがうまい。「え?」「あ!」「うわっ」「おおっ」「びっくり」「それはすごい」と、ときどき、合いの手を入れてくれるので、聞くほうも話すほうも盛り上がるのです。

たとえば「同窓会に100人集まった」という話も、「そうなんだー」と薄く反応するより、「え? 100人? 多くない? なんで?」と驚きを表現するだけで、楽しい雰囲気になります。ただし、やりすぎはわざとらしくなるので要注意。

どんな人にも興味をもって、相手の顔を見て会話すること。素直に感情を表現することを心がければ、仲良くなれる確率はぐんと高まるはずです。

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