これを潮に「完全引退」を決めたのではないか

松本が告訴するとすれば、性行為の事実があったかどうかを争うことはできないから、文春を名誉毀損きそんで訴えるのだろう。そうなれば、文春側は女性たちを法廷に証人として呼び、いかに松本から性的加害を受けたかという話をさせるのではないか。

それが文春をはじめとした週刊誌やワイドショーで何度も報じられることになる。

松本は、そうしたことに耐えられるのだろうか。

また、名誉毀損裁判で松本が勝訴したとしても、テレビに復帰できるとは思えない。たとえ、これまでのようにテレビに出ても、茶の間の視聴者は、彼の言葉に素直に笑ってはくれないだろう。

明石家さんまはこの問題について、「松本の件は松本が決めたこと。子供のためが大きいような気がする」(スポーツ報知1月13日 22時43分)と話している。

これまで引退という言葉は松本の口から何度も出ているが、2023年3月に放送された「人志松本の酒のツマミになる話」の中でこう話していたという。

「しょっちゅう考えてるよ。今年還暦なんで。5年後65なのよ。娘もちょうどいい年齢になるのよ。18歳」

松本の本心は「時にあらずと声も立てず」、裁判のための活動休止ではなく、これを潮に、テレビの世界、お笑いの世界から「完全引退」する覚悟を決めた。そう私は見ている。

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