論理的な文章を書くには、どんなことに気をつければいいのか。数多くの東大合格者を指導してきた茨城県立並木中等教育学校の元校長・中島博司さんは、「40文字程度の2文を接続詞でつなぐ『R80』を使えば、だれでもすぐに論理的な文章が書けるようになる。このメソッドは大学入試で急増している小論文の対策としても非常に有効だ」という――。

※本稿は、中島博司『R80 自分の考えをパッと80字で論理的に書けるようになるメソッド』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

勉強する中学生の手
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親世代と大きく異なる現在の大学入試事情

そもそも「現在の大学入試」がどう変化しているのか、ピンと来ない人は少なくないでしょう。

中高生の子を持つお父さんお母さん世代に聞いても、「大学入試は一般入試か推薦入試、それにせいぜいAO入試でしょ?」というイメージで止まっているかもしれませんね。

大学入試は、2021年から大きく変わりました。

制度としては以下の3種類があります。

①学校推薦型選抜(旧・推薦入試)
②総合型選抜(旧・AO入試)
③一般選抜(旧・一般入試)

パッと見てわかることとして、名称が「入試」から「選抜」になっていますね。

特に、なぜ①と②の名称が大きく変更されたかというと、従来の推薦入試やAO入試では、学生の学力が担保されないということが問題化したからです。

AO入試の場合、面接だけで合格とか、自己推薦文を事前提出して面接で終了、といったケースがありました。

推薦入試でも、学校の推薦さえあればあとは面接だけということも。

安易な入試があると、高校時代に勉強せずに大学進学する生徒が出てきます。

その結果、基礎学力の乏しい彼らが大学の学問についていけないというケースが多発しました。

この問題が表面化したことで、文部科学省が「ちゃんと選抜しなさい」という方向性を示し、それに伴って名称も変わりました。

ちなみに①と②の一番の違いは、校長の推薦文が必要かどうかということです(①は必須)。

そしてここからが大事なポイントです。

現在、①と②の選抜で、私立大学への入学者は5割を超えています。

国公立はまだ2割程度ですが、ゆくゆくはもっと増やすという目標が掲げられています。

では、大学はどうやってそれだけの学生を「選抜」していると思いますか?

選抜方法で圧倒的に重きを置かれているのが、小論文なんです。