※本稿は、中島博司『R80 自分の考えをパッと80字で論理的に書けるようになるメソッド』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
親世代と大きく異なる現在の大学入試事情
そもそも「現在の大学入試」がどう変化しているのか、ピンと来ない人は少なくないでしょう。
中高生の子を持つお父さんお母さん世代に聞いても、「大学入試は一般入試か推薦入試、それにせいぜいAO入試でしょ?」というイメージで止まっているかもしれませんね。
大学入試は、2021年から大きく変わりました。
制度としては以下の3種類があります。
②総合型選抜(旧・AO入試)
③一般選抜(旧・一般入試)
パッと見てわかることとして、名称が「入試」から「選抜」になっていますね。
特に、なぜ①と②の名称が大きく変更されたかというと、従来の推薦入試やAO入試では、学生の学力が担保されないということが問題化したからです。
AO入試の場合、面接だけで合格とか、自己推薦文を事前提出して面接で終了、といったケースがありました。
推薦入試でも、学校の推薦さえあればあとは面接だけということも。
安易な入試があると、高校時代に勉強せずに大学進学する生徒が出てきます。
その結果、基礎学力の乏しい彼らが大学の学問についていけないというケースが多発しました。
この問題が表面化したことで、文部科学省が「ちゃんと選抜しなさい」という方向性を示し、それに伴って名称も変わりました。
ちなみに①と②の一番の違いは、校長の推薦文が必要かどうかということです(①は必須)。
そしてここからが大事なポイントです。
現在、①と②の選抜で、私立大学への入学者は5割を超えています。
国公立はまだ2割程度ですが、ゆくゆくはもっと増やすという目標が掲げられています。
では、大学はどうやってそれだけの学生を「選抜」していると思いますか?
選抜方法で圧倒的に重きを置かれているのが、小論文なんです。