ますます先が読めなくなるこれからの時代。社会がどう変わっていくのか予想がつかない中、親がわが子にしてやれること、それは「たくましく生き抜く力」をつけること。そのための、たった一つの方法とは何か。『プレジデントFamily』編集部が小児科医の成田奈緒子さんに聞いた――。(後編/全2回)

※本稿は、『小学生知育大百科 2024完全保存版(プレジデントムック)』の一部を再編集したものです。

高学歴親の子育てデメリット

子供の睡眠を妨げてしまう親の要素として「干渉」「溺愛」「矛盾」があります。

私はこれを、「高学歴親の三大リスク」と呼んでいます。「干渉」とは、子供の世話を焼きすぎること、あるいは子供のやることに口出ししすぎること。「溺愛」とは、かわいがりすぎること、過度に甘やかすこと。そして「矛盾」とは、親の言動に齟齬そごが生じること。

子供が小さい頃には、「早く寝なさい」と言っていたのに、小学校に入ると「宿題してから寝なさい」になる。

これは、「宿題するまで寝なくていいよ」という意味ですね。これが「矛盾」です。

なぜそうなってしまうのか。まず背景として、高齢出産と少子化があります。たいてい子供は1人か2人くらいですから失敗できない。これまで成功体験が多い親御さんほど、子育てもミスをしたくないのです。

高学歴の人たちは、努力家で、段取りをきちんとしながら計画を立てて学習する能力を身につけています。それをなぜか、就学前や小学生のわが子に求めるのです。

でも、その力は中学校や高校、大学でついたものかもしれません。自分だって、その年齢のときにはそんなことできていなかったはずなのですが、記憶からは抹消されているんですね。

「忘れ物はしないでね」「物はなくさないように」「宿題はしたの?」「こんな点数じゃだめじゃない」「このままではいい大学に行けないよ」「幸せになれないよ」

親としては愛ゆえの言葉ですが、子供にとっては重いですよね。ずっと干渉されて、できない、できないと言われて、さらに「お母さんは頑張ってここまでできたわよ」「あなたはどうしてできないの」なんて言われたら苦痛でしかない。

そのうえやっかいなことに、高学歴の親御さんは高収入の人が多く、子供にお金をかけられてしまうという点もデメリットです。情報収集能力も高いので、いい塾を探して、いい先生を探して、頭がよくなる教材を探して、頭がよくなる習い事をさせるのです。お金をたくさんかけて。チェック能力も高いので、子供が塾でどんな勉強をしているか、宿題はきちんとやっているのか、絶えず監視し、手出し口出しをします。

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