4 少し年上の友達になる

親としてではなく、少し年上の友達のイメージを持ってみましょう。そうすると、かける言葉が変わってきます。子供が「学校、だるい」と言ってきたら、「だよね、だるいよね」と言ってやる。そうすると本人も「そうなんだよね。でもさ、学校に行かないとやばいよね、受験もあるしさ。うざいけど行こうかな」となるはず。案外、子供はちゃんとわかっているものなのです。

5 失敗談を語る

高学歴親は成功体験が多いので、ついついその話をしがちです。立派な親を持つ子供ほど、自分はそうなれないかもと、不安が強くなります。まずは、親の「失敗談」を伝えてください。「お母さんも夏休みの宿題、いつもギリギリだったなあ」なんて。すると子供は、あ、今はできなくても、うちの親みたいに立派になれるのかなと安心できます。

6 役割を与える

家庭生活を家族で回すために、子供にも役割を与えましょう。最初はもちろん上手にできないことのほうが多いでしょう。小さなことでもやってくれたら「嬉しい」ことを伝えてみて。どんどん役立つ人材になりますよ(笑)。まさに「信頼」を増やしていくのです。

7 親子間でも敬語を使う

ふだんは「タメ口」でもいいですが、親子間で何かをお願いするときは敬語を推奨しています。うちは2歳ぐらいから子供に敬語を使わせていました。

「抱っこ」ではなく「抱っこしてください」というように。親子間でもある程度の距離感が必要です。人間関係を学ばせるためにも敬語を取り入れてみてください。

8 親がよく寝る

子育てに不安があったり、子供にイライラしてしまったりする親御さんは、寝不足で体と心がうまく働いていないことが多いです。まずは親御さんがしっかり寝ましょう。よく寝て、よく食べて、それで機嫌がよくなって、体が軽くなったと実感したら、それをぜひ子供に伝えてください。

9 親は親として楽しんで

子育てにかかりきりでは親も子も疲弊します。親は親として、自分の時間、自分の世界を楽しみましょう。その姿を見せることが、子供の脳や心の成長に大きな影響を与えます。独立した人間としてわが子を見たとき、あらためて子供の成長を実感できるものですよ。

教える人:成田奈緒子さん
神戸大学医学部卒。医学博士。小児科医。米国セントルイス・ワシントン大学医学部、獨協医科大学、筑波大学基礎医学系勤務を経て、2005年より文教大学教育学部特別支援教育専修准教授、09年より同教授。14年より子育て支援事業「子育て科学アクシス」代表。著書に『高学歴親という病』、共著に『その「一言」が子どもの脳をダメにする』など多数。
子育て科学アクシス
小児科学と脳科学をベースにした独自の「正しい脳のつくり方」の理論を軸に、心理学や教育学、福祉などさまざまな知識をつなげた多彩なワークを実践。代表の成田先生が確立した「子供の脳を生活からの刺激で育てる」理論に基づいたペアレンティング・トレーニング(親が行う子育てトレーニング)で子育てを支援している。
(構成=池田純子、撮影=岡村智明)
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