※本稿は、寺岡孝『学校では教えてくれない! 一生役立つ「お金と住まい」の話』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
「戸建てかマンションか」は人それぞれ
本書は、「お金と住まい」に関する有用な視点を、読者の方に伝えるという使命を持って書いています。
その一つが、「不動産における3つの価値」です。
不動産には、「使用価値」「希少価値」「市場価値」という3つの価値があります。これを覚えておいて、自宅を購入する際の判断基準としてください。すでに自宅を購入している人は、自分の家・マンションがこの3つの価値に照らし合わせてどんなレベルなのか知っておく必要があります。
①「使用価値」
これは、戸建てやマンションを手に入れて使ったときの満足感の度合いを指します。買い手はこの満足感に対して金銭を払います。この満足感を想像して見極めた上で「マンションの方がいい」という人もいますし、「戸建ての方がいい」という人もいますから、どれがベストかというのは一概には言えません。
また、「中古と新築ではどちらがいい?」という話になったときにも、「知らない人が住んでいた家はイヤだ」と言う人もいれば、「全く気にしない」という人もいます。
新築なのか中古なのか、戸建てかマンションか、都会暮らしか田舎暮らしかなど、人それぞれによって満足感は異なります。
したがって、自分の住まいを考える場合には、使用価値という観点で満足度が高いことが重要で、最も優先される価値です。
立地条件が良い物件は希少価値が高い
②「希少価値」
これは主に購入する物件の立地条件の良し悪しを指します。立地条件とは、「駅から5分」や「環境が良好」といった要素で、希少価値を決める一番大きな要因になります。駅や学校、病院までの距離やスーパーなどの有無についてなど、生活の利便性を高めてくれるものが近くにあれば、希少価値が高いと言えるでしょう。
また、景観も希少価値に数えられます。鴨川や大文字送り火が見える京都のマンションや、東京ならばスカイツリーや東京タワーが見えるところは価格が相場より高めです。