漢方薬は本当に体に優しいのだろうか。医師の大脇幸志郎さんは「漢方薬に含まれる『甘草』や『大黄』、『山梔子』には頻繁に出会う副作用や重篤な副作用が指摘されている。『漢方薬だから副作用はない』と思って飲み過ぎると思わぬ健康被害にあう」という――。
本当に漢方薬は副作用が少ないのか?
ちょっと体調が悪い、でも「強い薬」は怖い……。
そんな時、患者さんのほうから「漢方はどうですか?」と相談されることがあります。
患者さんは「漢方なら副作用も少ないでしょうから……」とよくおっしゃいます。
あるアンケート調査(※)では、回答者の7割以上が「漢方薬は副作用が少ないと思う」と答えていますが、本当に漢方薬は副作用が少ないのでしょうか。
(ちなみに、こういう場合、「漢方薬」ではなく「漢方」と言う方が多いようです。みなさん「薬」がお嫌いなのでしょう)
※ QLife漢方「漢方のウワサ!リサーチ隊 Vol.3「漢方薬は副作用が少ない?」を徹底調査」
結論から言いますと、残念ながら、漢方薬にも副作用はあります。
たいていの副作用は軽い症状にとどまり、飲むのをやめれば解消するのですが、中には深刻な副作用もまれにあります。
この記事では漢方薬の副作用のうち筆者がよく出会うものや特に深刻なものをいくつか紹介します。
※この記事に出てくる漢方薬をいま継続的に処方されている人は、決して自己判断でやめないでください。副作用が心配になったら処方した医師に相談してください。筆者は自分で診察していない人の健康に責任を負えません。
放っておくと大変なことになる「偽アルドステロン症」
漢方薬の副作用として特に代表的なものが「偽アルドステロン症」です。
これは出会う機会も多いし放っておくと大変なことになるので、漢方薬を出す医師は必ず知っておくべきものです。
厚生労働省の資料によると、「偽アルドステロン症」には、高血圧、むくみ、手足のだるさ、筋肉痛などの症状があるとされます(『重篤副作用疾患別対応マニュアル』「偽アルドステロン症」)。