ニキビができたら「洗顔はぬるま湯、肌をこすらない」

ニキビの予防やできてしまった肌の対策は、思春期もそれ以降も基本的には変わりません。大切なのは洗顔です。次の6つに気をつけて行うようにしましょう。

・洗顔の際は手を清潔にする。
・ぬるま湯で顔全体をやさしく洗う。
・洗顔料をよく泡立てて、肌をこすらないように洗う。
・泡が残らないようによくすすぐ。
・清潔なタオルで、こすらないようにして水分をとる。
・化粧水や乳液でスキンケアをする。

よくおすすめの洗顔料や保湿剤について聞かれますが、皮膚科専門医として推奨する洗顔料は、肌を刺激する可能性がある界面活性剤や添加物が入っていない固形石鹸です。

洗顔の回数は1日2回が推奨されています。石鹸を使った洗顔をやりすぎると逆に過度に乾燥してしまい、肌に負担をかけてしまいます。夏の暑い時期やスポーツで汗をかいた時は洗顔の回数を増やしても、石鹸を使用する回数は2回に留めましょう。

保湿剤は「ノンコメドジェニック」といって、ニキビの初期段階のコメドが発生しにくいように作られた化粧品を使うとよいでしょう。市販品にはノンコメドジェニックテスト済み、ノンコメドジェニック処方などの表記がされています。

「皮膚科に行けばすぐに治る」という誤解

正しいスキンケアを続けていてもニキビが治らない場合、早めに皮膚科の受診を検討してほしいと思います。特に思春期のニキビの場合、親御さんは「たかがニキビでしょう?」「成長の過程、いずれ治るだろう」などと考えて放置してしまいがちですが、実はこれこそニキビに対する誤解なのです。

ニキビに気づくのは、赤ニキビができた時という方が多いですが、先述したようにこれは白ニキビが炎症を起こした状態です。しかし、白ニキビの段階で治療をしたほうが治りも早いですし、ご自分では「赤ニキビが1つできただけ」と思っていても、実は他の所に白ニキビができていることが少なくありません。

今は毛穴の詰まりを改善する「アダパレンゲル」、毛穴の詰まりのほか、アクネ菌にも有効な「過酸化ベンゾイル」など、白ニキビの段階から治療できる保険適用の塗り薬があり、12歳から使用できます。症状によって飲み薬を併用することもあります。

ただし、薬を使用したからといって、すぐに治るわけではありません。短くても数カ月、症状によっては1年近くかかるのが一般的です。皮膚科に行けば1週間程度で治ると考えている方が多いのですが、これもニキビに対する大きな誤解です。