「自社株買い」をしているかどうかを重要視
「増収・増益・増配」に次いで重要視しているのは、「自社株買い」をしているかどうかです。自社株買いとは、その名のとおり、自社の株を買う行為を指します。もともとは原則禁止とされていましたが、1994年と2001年の法改正により認められるようになりました。
とくに株の初心者は、「自社株買いが行われていると、どうしていいことなの?」と思われるかもしれません。
自社株を買うと、市場に出回る発行済み株式数は当然ですが減少します。そうすると、同じ利益であれば市場に流通している1株当たりの利益は増加します。
市場での株価が割安かどうか判断するための指標であるPER(株価収益率)は、「株価÷1株当たりの純利益(EPS)」で計算されます。
PERは平均15倍程度とされており、この値が高いと株価が「割高」、低いと「割安」と判断されます。自社株買いは1株当たりの利益を高くするので、同じPERだと株価は高くなります。
どういうことかというと、株価が1000円で、1株当たりの利益(EPS)が100円だとすると、PERは10倍です。
それが1株当たりの利益が150円まで上がると、PERは約6.7倍になります。
このPERが「割安」だと判断され、PERが10倍まで買い求められるとなると、株価が1500円まで上がることになるという理屈です。
4月~5月、自社株買いの発表が増える
自社株買いは、一般的には3月期決算の会社が、本決算の発表のタイミングに合わせて公表するケースが多く、4月から5月にかけて自社株買いの発表が増える傾向にあります。
本書で紹介した信越化学工業も、決算発表のタイミングで1000億円の自社株買いを発表したからこそ、前年同期比減の決算でも株価が下がらなかったのです。
ちなみに株主優待もあればいいですけど、そこまで気にしていません。優待は数百株持っていても、私のように数千〜数万株持っていてもその内容は同じなので、あまりうまみがあるとは思えないんです。