EVの登録台数が昨年から約10倍に急増

トルコの新車市場が絶好調である。最新10月の乗用車の新車販売台数は前月比2%増となる年率108万台となった(図表1)。トルコ経済は2018年に通貨危機に陥って以降、混乱が続いているが、それ以前の市場規模は年間80万台レベルに過ぎなかった。そのことと比べても、トルコの現在の新車市場が極めて好調であることが窺い知れる。

またトルコ自販連(ODMD)のデータより、今年1~10月期に販売された乗用車の新車75万台の内訳を動力源別に確認してみると、ガソリン車の67.1%を筆頭に、ディーゼル車が14.9%、ハイブリッド車(HV)が10.5%、電気自動車(EV)が6.5%と並んだ。特に堅調だったのが、前年から約10倍も登録台数が増えたEV市場である。

EV市場には「伸びしろ」がある

具体的には、今年1~10月期のEVの登録台数は4万8883台だった。わずかに4939台だった前年に比べると、飛躍的な伸びである。こうした堅調な伸びを受けてトルコのEV市場に対する強気の見方が台頭し、日刊紙デイリー・サバが伝えたところによると、ある英国の調査会社は2032年までに乗用車の3割に達すると予測したようだ。

トルコ国旗を手にパレードに参加する男性
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