老舗旅館や料亭の女将さんが年齢を感じさせない理由

林真理子さんは、着物が好きで、しょっちゅう着ていますから、とても似合っています。

日大の卒業式や入学式のような晴れ舞台では、もちろん着物を着て登場します。よい着物ですから、やっぱり目立ちます。

私は23年の日大の入学式に、前述のように20年前に買ったゼニアのスーツを着て行きましたが、着物にしろ、ブランドのスーツにしろ、よい服はすごく長く着られます。それで自分の見た目もよくなるのですから、よい投資だと思います。

林真理子さんは、おしゃれのために着物を毎年新調していますし、何を着たら自分がきれいに見えるのかがわかっていますから、きれいに見えますし、やっぱりいつまでも若々しく見えますね。

林さんの真似をしなさいとは言いませんが、女性は見た目を若くする秘訣ひけつの1つとして着物を着るのもよいと思います。

着物を着た女性
写真=iStock.com/Yagi-Studio
※写真はイメージです

それに着物はある程度の年齢になってからのほうが似合って見えるもの。

よく若いモデルが着物を着ているのをテレビで見ますが、背が高すぎる女性は着物がなかなか似合いませんし、顔が若すぎると晴れ着のように見えてしまうと感じます。なかなか日常の中で着こなすのは難しいものです。

着物が似合っている女性は、老けて見えることがありません。

老舗旅館や料亭の女将さんは、顔をよく見たら70代くらいの女性でも、年齢を感じさせないものです。それはよい着物を着ているからでしょう。女性の着物にはそんな魅力があると思います。

ファストファッションの功罪

経済状況の違いにもよると思いますが、海外では年をとるほど、服にお金をかける傾向があると思います。

逆に日本の場合、年をとればとるほど、服にお金をかけなくなるような気がします。そして、それが見た目年齢を老けさせる原因にもなっていると思います。

服にお金をかけない人が、服を買うのがファストファッションの店です。

ファストファッションは、一説には、「最新の流行を取り入れながら低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に大量生産・販売するファッションブランドやその業態」とされていますが、日本のユニクロやGU、スウェーデンのH&M、スペインのZARAといった店です。

こうしたファストファッションの特徴は、誰にでも似合うようにつくってあることだと思います。だから、普段はファッションに関心がない人が着ても、それなりにまともなかっこうに見えたりします。

若い人ならそれでもよいのかもしれません。でも、60代や70代の人が着るには、ちょっと貧乏くさいような気がします。

ところが、多くの人は、年をとったらファストファッションでいいじゃない? と思っているようなのです。

私も旅先で替えの下着がないときなど、ファストファッションの店に行くことがあります。

そこで、私と同じくらいの年齢なのに、けっこう老けて見える男性を目にすることがあって、「やっぱりよい服を買わなきゃ」と反省したりしています。

何を着るかは人によって考え方があると思いますが、私は年をとっているからこそ、よい服を着るべきだという考え方なので、経済状況が許す限り、できるだけ服にはお金をかけてよいと思っていますし、かけるべきだとも思っています。

あと何十年かしか生きられないのですから、若いとき以上におしゃれをして、人生を楽しんだほうがよいのではないでしょうか。