現在の節約が将来の安心につながる

【ステップ5】必要に応じて次善策、次々善策を検討する

ステップ4までで「よし、あとは実行あるのみ」と思えればよいのですが、計算した結果、現状の家計からはとても捻出できない積立額となるケースも多いと思います。そのような場合は、「準備したい老後資金」か「解決策」か、いずれかを調整する必要があります。あるいは両方の調整が必要かもしれません。

前者の場合は、一時的支出や予備費が過大になっていないか、赤字をもっと小さくすることはできないか、赤字分をチャラにする程度の収入を得ることはできないか、といったことを検討します。

後者の場合は、現状の家計収支を見直して、少しでも貯蓄に回すお金を絞り出すといったことを検討します。もし、貯蓄ができない原因が子どもの教育費であれば、教育費から解放されてから60歳までの年数を確認し、その期間でどのくらい挽回できるかを計算してください。この期間が老後資金を貯めるラストスパートとなりますので、しっかり結果が残せるようにしましょう。

豚の貯金箱にコインを投入する手元
写真=iStock.com/Avosb
※写真はイメージです

完璧を目指すのではなく、緩~くでいい

今回は老後資金の簡易的な計算方法と解決策をお伝えしましたが、状況は固定的なものではなく、変化していくものです。特にまだ老後のイメージがつかめない若年層の人は、完璧を目指すのではなく、高齢になった自分への仕送りと思って、とりあえずは「こんな感じ」といった緩い取り組みで構いません。

また、せっかく貯まったお金も、予定外の出費で取り崩さざるを得ないこともあるでしょう。そんなときは、「老後資金の準備をしていたからこそ対処できた」と前向きにとらえてください。

リタイア後の生活が30年以上になることも珍しくはありません。そのための準備期間が長期にわたるのは当然のことです。時間を味方につけるためにも、できるだけ早くスタートしましょう。

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