老後に必要なお金は生活費だけではない
【ステップ2】一時的支出と予備費を見積もる
次に、まとまった出費の予定がある人は、「一時的支出」として見積もります。住宅ローンの残債を一括返済するとか、リフォームを予定しているとか、子どもの結婚、旅行といった資金です。
さらに、医療や介護など、不測の事態への備えとなる「予備費」を見積もります。具体的な数字がイメージできなければ、とりあえず200万円とか300万円とか、適当な金額を入れておいて構いません。これらの金額を合計すると老後必要資金が計算できます。
老後に必要となるお金=「基本生活費不足分」+「一時的支出」+「予備費」
【ステップ3】準備したい老後資金を計算する
最後に、準備しなくてはならないお金を計算します。具体的には、「老後に必要となるお金」から、現時点での貯蓄のうち使う予定のない金額や退職金の見込額などを差し引きます。これがリタイアまでに準備しておきたい老後資金の目安です。
「準備したい老後資金」の目安=(基本生活費不足分+一時的支出+予備費)-(使う予定のない貯蓄+退職金見込額など)
1500万円を20年間で積み立てる方法
このように計算していくと、平均額から求めた「老後資金2000万円問題」が「私の老後資金○○万円問題」へと具体化します。問題が具体化したところで、解決策を考えるステップに移行します。
【ステップ4】毎月の積立額を計算する
たとえば、40歳Aさんの準備したい老後資金が1500万円だったとしましょう。年金受給開始までは25年ありますが、60歳以降は収入が大幅にダウンすることが予想されます。できれば、60歳までの20年間で積立を完了させる計画にすることがお勧めです。
シンプルに1500万円を20年間で積み立てると考えれば、1カ月当たりの積立額は6万3000円です。もし、投資信託などを利用することで年3%の運用が見込めるなら、4万6000円程度の積立で済みます。
60歳から65歳までの5年間もそのまま年3%で運用すると考えれば、60歳時点で約1300万円が貯まっていればよいので、毎月の積立額は約4万円で済む計算になります。どのような商品を利用するかによっても毎月の積立額は異なってきます。