ストレスが溜まりやすい9つの思考パターン

人を見る時も同様で、世の中には100点と0点の人しかいないわけじゃない。85点の人もいれば、60点、40点の人もいるというようなモノの見方をすれば、多少問題のある人だったとしても、これくらいの失点・減点はやむを得ないという発想になるわけだし、そうすれば他人に寛容にもなれる。何より大事なのは、自分にも寛容になれるということです。

自分に対していつも100点でいなければいけないというのはものすごいプレッシャーです。融通の利かない思い込みや脳の錯覚から解放されて、少しでもストレスの少ない生活を送るようにしてください。

「二分割思考」「かくあるべし思考」以外にも、ストレスが溜まりやすい思考パターンをいくつか私は提唱しています。以下に列挙してみましょう。

「真実は一つ」思考

たとえばコロナ自粛は続けるべきか否か、ワクチンは打つべきか否かについても、本当のところ、答えはわからないわけです。たとえば、日中戦争における南京大虐殺といわれるものが本当にあったのかどうか。

中国共産党は30万人殺されたと主張するかと思えば、そんなものはなかった、犠牲者はゼロだと言う人もいる。「いろんな説があって真相はわからないけれど、まあゼロから30万人のうちのどれかだろう」みたいに受け止める人はストレスを感じにくい。

正解は一つしかないと信じ込んでいると、それが間違いだったということになって自説が覆された時にガックリきてしまいます。

「今」できなくても、明日に回せばいいと思えるか

「前例踏襲」思考

そのやり方は前例にない、わが社ではこれまでこうやってきたのだから、あなたも同じようにしなさい――そんなことを言われたことのある人も多いのではないでしょうか。しかし、世の中はどんどん変わっています。これまでのやり方が必ずしも正しいとは言えません。ビジネスならなおさらです。

古いやり方が通用しなくなって、新しい方法を試してみたら思ったよりうまくいった、というようなこともあるでしょう。前例にとらわれず、やってみなければわからないという思考パターンに変えてみましょう。

「みんなにどう思われるか」思考

ここでこんなことを言ったらみんなに嫌われるんじゃないかとか、上司である自分が安い料理を注文してしまったら、若い人たちが遠慮して高いメニューを頼めなくなるんじゃないかとか、何かと周囲を気にする人がいます。

マスクをしていないとどう思われるか。きょうは暑いし、熱中症になるくらいだったらマスクを外したいのに、まわりの人たちがみんなマスクをしているから外せない。それではストレスは溜まる一方です。自分は自分、他人は他人と思えるようにしましょう。

マスクを外す女性
写真=iStock.com/Phynart Studio
※写真はイメージです
「今やらなきゃ」思考

「いつやるか、今でしょ」と言ってテレビの人気者になった人がいますが、私みたいに「そのうちやればいいや」と考えている人間はあまり売れないみたいです(笑)。でも「今」でなくても、最終的にできれば御の字でしょう。

やり終えられなかった仕事は明日に回せばいい。いずれはかどる日があって、最後に帳尻があったりするものです。「今やらなきゃ」と自分にプレッシャーを課すのはストレスの元です。