既決ボックスを撲滅する
マネジメント職の机の上によく置いてある「未決ボックス」と「既決ボックス」にも、じつは大きなムダが隠れています。
決裁を経た書類を既決ボックスに溜めると、指示のロットが大きくなります。もともと「Aをやってほしい」で済むのに、「AとB、Cをやって」とまとめて指示するようになり、相手に待ち時間を発生させてしまうのです。
タスクを分割したりロットを縮小しても、相手に投げ返すところで流れを止めると結局は待ち時間が発生して全体のスピードが鈍ります。
理想をいえば、既決ボックスには書類が1枚もないほうがいい。決裁したら、すぐに部下に回す。それでこそ仕事の細分化は効果を発揮します。
すぐボールを投げ返したほうがいいのは、どのような関係でも同じです。チームで仕事をするときに誰か1人でも反応が遅い人がいると、そこがボトルネックになって流れが止まります。
チームプレイにおいては、誰かからボールを渡されたら24時間以内に反応するワンデー・レスポンスが基本です。作業そのものは終わらなくてもかまいません。「あと2日かかります」と返すだけでも相手は安心します。
(※『ビジネススキル・イノベーション』第2章 時間と感情のロスを減らす(プレジデント社刊)より)