1年で店舗は1000店増え、会員数は80万人増えた

chocoZAPの独自性は

① 店舗展開スピードの速さ、
② それを実現させるための「捨てる発想」、
③ 初心者マーケティングに徹底している、

という3点にあります。

【ポイント1】会員数獲得と店舗展開スピードの速さ

RIZAPがサービス開始したのは2012年ですが、chocoZAPの正式サービススタートは22年7月です。グランドオープンは22年9月ですから、まだ1年程度しかたっていません。

23年9月28日時点で会員数は83万人を突破し業界トップに、店舗数も1000店舗となっています。わずか1年間でこの数字を出したのは、サービス業とはいえ、驚異的な店舗展開スピードと言えます。

【図表1】大手フィットネスジム企業の生産性比較表

図表1を見れば、店舗数の伸び以上に会員数が伸びているのが分かります。競合他社とは比べ物にならない勢いです。

ただし1店舗当たり会員数が1000人程度となるため、店舗によっては利用者が集中し、十分に利用しづらいといった問題がでているかもしれません。

なぜ会員価格を競合の半分にできたのか

【ポイント2】月額費用の圧倒的な安さ

chocoZAPは、競合他店の半額以下という圧倒的な安さを実現するため、「捨てる経営」を徹底しています。

【図表2】大手フィットネスジム企業のサービス内容比較表

chocoZAPの会員費は2980円。競合するエニタイムフィットネス(以下エニタイム)、カーブスが8000円前後なので、月会費は競合の半分以下です。月に3000円ということは1日あたり100円を切るということです。chocoZAPが1年で業界No.1の会員数を獲得した最大の理由は料金設定です。圧倒的にコスパが良いジムと認識されたのです。

この低価格を実現したのが「捨てる経営」の徹底です。「業界ではこう考える」という固定観念を捨てたのです。

【chocoZAPの「捨てる」経営】

1.店舗に人をおかない
コーチやトレーナー、スタッフすらおかないことで人件費をかけずに24時間無人ジムを実現した

2.高い家賃を払わない
雑居ビルの2Fや駅から少し離れた立地など、家賃をできるだけ抑えた出店戦略

3.トレーニングマシン以外のものを極力設置しない
ロッカーは鍵無し、シャワールームなどもなし。体組成計なども店舗に設置しない

4.変動費型・アジャイル出店強化
広告宣伝費のみで集客し、2カ月以内のアジャイル出店。違約金支払いなど回避