マシンの使い方を誰も教えてくれない
店舗は外からすぐにわかるchocoZAPのマークと「24h GYM」の文字があります。アプリのQRコードを入り口でかざすとドアが開閉する仕組みです。
中に入ると、日曜の14時ごろということもあってか、利用者は私以外に1人もいない貸し切り状態でした。
店内にはランニングマシンが4台、ウエートトレーニングを行うさまざまなマシンが8種以上ずらりが並んでいました。
普段ジムに行かない私にとって、ここに並んでいるマシンのどれからどのように始めたらいいのかが分かりません。とりあえず使えそうな「上に乗って歩いたり走ったりするマシン」(トレッドミルと言うそうです)に乗ってみますが、どこを押したら電源が入るのか、どう設定すればいいのかがまったく分かりません。
実はchocoZAPアプリにトレーニングマシンの使い方はすべて載っています。アプリに掲載することで店頭での説明書きを貼り付ける手間もなくしています。店頭にあるのは「終了後はアルコール除菌をしてください」のみ。
誰に聞くこともできず、またアプリに説明があるとも知らず、機器の上であれこれ押してみること5分。やっと動き出しました。私のようなジム初心者にはマシン周辺に説明書きが1枚欲しいと思いましたが、それを省くことで低価格を実現しているのです。
着替えず普段着のまま運動できる
従業員ゼロで無人運営する(24h監視カメラ有)、ロッカーも鍵のかからないロッカーにする(鍵をなくした場合の対応が不要)、マシンを使った利用者にウェットティッシュでアルコール除菌させる、ゴミは自分で片づけて掃除の手間を省く……など、徹底的に人手をかけない仕組みにしています。
会員はchocoZAPのどこの店舗でも利用できるため、別の近隣店舗にも足を運びました。
そこにはすでに6人ほどの利用者がいました。そのうちの1組は男女のカップル。室内の機器をぐるっと見て回り、なにやら話をして、そのまま帰っていきました。滞在時間5分。
一方、腹筋を鍛えるマシンではYシャツにチノパン姿の50代くらいの男性がトレーニングしていました。
「着替えもないから洋服OK 5秒でスタート」という売り文句もあながち間違っていないなあと感じる光景でした。
SNSでは「ストレッチエリアに座り込んでなにもせずに動画だけを見ている人を発見した」とか「ガチ勢(本気でトレーニングする人たち)が減ってきてほっとした」などの投稿もあります。chocoZAPの最大の売りは、この「初心者を相手にしたセルフトレーニングジム」という一点にあるのです。この後詳細を分析していきます。