ハイリスク・ハイリターンより堅実にいったほうがいい

一方、アクティブファンドの場合は、市場が下がっていても、銘柄の選定次第では流れにあらがえますし、市場が上昇局面ならば市場平均より大儲けできる可能性もあります。

もちろん、必ず市場平均を超えられるわけではありません。元本を割り込むリスクもあります。

つまり、市場全体を買うか、それともプロの目利きを買うかの問題になります。最近は「インデックスファンドの方がアクティブファンドよりもいい」という論調もやっと広まってきたようです。

日本の闇のような皮肉な話ですが、一生懸命手数料の高いアクティブファンドを売っている金融機関の知識層たちの間ではずっと、本当はインデックスファンドの方がいいと言われてきました。私のおすすめは断然インデックスファンドです。

ここまで読んで、「よし、インデックスファンドで積み立て投資をしよう」と決心した人におすすめしたいのが、つみたてNISAです。みなさんの周りにも始めている人は多いと思いますが、この制度のメリットを理解していないと、「お金ないから、積み立てやめよう」となりかねません。

つみたてNISAは投資で得た利益(値上がり益や配当金)にかかる税金がゼロになります。通常の投資は利益に約20%が課税されますので、いかにメリットが大きいかがわかるでしょう。

「月3万円」でも1500万円になる

例えば毎月3万円を年間の利回り(利率)を7%で20年間、積み立てたとします。

7%と聞くと日本の銀行の超低金利に慣れている人からすると「高い!」と感じるかもしれませんが、非現実的な数字ではありません。

私は特にS&P500に連動した投資信託をおすすめしていますが、1988~2022年でS&P500に20年積み立てた場合の平均利回りは9.752%、30年では9.909%です。今後はここまで見込めないとの指摘もありますが、7%は決して的外れな数字ではありません。

そうすると、月3万円の20年積み立てで約1500万円になります。元本は700万円ほどで、利益が約800万円です。元本に利子がつき、さらに利子がつき……と雪だるま式に膨らみます。通常ならば800万円の利益には約20%にあたる160万円程度を税金で納めなければいけません。この必要がなくなります。

みなさんに朗報なのは、2024年1月から現行のNISA制度は新NISAとなり、さらに威力を増します。ですから、非課税で運用できることのメリットを知っている人にはかなりお得な制度になります。新NISAでは2つの非課税枠ができ、つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円と、“年間投資枠”の最大値は360万円まで拡大、1人当たりのトータルの非課税保有限度額は1800万円になります。