いまの子供たちはどんな科目の勉強に力を入れるべきなのか。ベンチャー投資家の山本康正さんは、「絶対に勉強しておかなければならない科目は数学(算数)と英語、一方、国語、理科、社会は『やらなくていい』とこっそり伝えておきたい」という――。
※本稿は、山本康正『きみたちは宇宙でなにをする? 2050年に活躍するために知っておきたい38の話』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
「全教科をまんべんなく勉強しよう」と先生は言うけれど
国語、数学、理科、社会、英語。学校によって違いはあるが、たいていの高校受験はこの主要5科目だ。中学受験になると、英語を除いた4科目が多いかな。私立だと国語・算数のみの2科目入試のところもあるよね。
学校の先生はきっと「全教科をまんべんなく勉強しよう」と教えるだろう。正論だ。けれどもこれから先、時代がどっちの方向へ進んでいくかを予想すると、絶対に勉強しておかなければならない科目は数学(算数)と英語、この2科目だけでいい。むしろ、この2科目の勉強は絶対にサボっちゃだめだ。食らいついていこう。
英語が必要な理由は簡単に想像できるだろう。いろんな国の人たちとコミュニケーションが取れるようになるから? そう、まずはそのとおり。
どれだけ翻訳アプリの精度が上がっても、人間同士はダイレクトに言葉を交わしあったほうが楽しいし、話が早いし、得るものが多い。あいだにワンクッションあるのとないのでは、単純に心の距離感も変わってくるよね。
もうひとつ、それ以上に大きいのは、インターネット上における情報量の差だ。英語の情報は、日本語の情報に比べると圧倒的に量が多い。ネット上で使われている言語の割合を比べると、トップは英語で全体の63.4%を占めている。これに対して日本語の情報量は、なんとわずか1.9%なんだ(いずれもW3Techsによる2021年11月の調査)。