「すぐに行動する」と手戻りが増える

残念な仕事のやり方② とりあえず進めてみる

「とりあえず始めてみて、うまくいかなくて困ってから、どうしようかなと考える」

そんな仕事の進め方をしてしまってはいませんか。

あなたが、初めて訪れる場所に行こうするときを想像してみてください。何も考えないまま歩き始めるでしょうか。

おそらく、自分が向かう目的地まで、どんな交通機関で、どれくらいの時間がかかるのかを、調べるところから始めますよね。そして、最初に乗る駅までは今いるところから、どっち向きに何分くらい歩くのかなどを把握した上で行動するはずです。

しかしながら、仕事になると、なぜか、こうした準備をまったくしないまま、いきなり作業に取り掛かってしまう人がいます。

そして、作業を進めながら、「あれ、思っていたのと違うな」「あ、これはどうやら勘違いしていたな」と気づき、少し戻ってやり直すことになります。

混乱の若いアジアの女の子
写真=iStock.com/metamorworks
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こういうやり直し作業のことを「手戻り」と言います。

「手戻り」は、仕事の効率を著しく低下させ、周りからの評価も下げてしまいます。また、「手戻り」を繰り返すことによって一番無駄になっているのは「時間」です。時間は、あなただけでなく、周りの人にとっても等しく有限で、貴重なものです。浪費してはいけません。

誰かが行きあたりばったりで仕事を進め、何か間違っている、何かがおかしい、と途中で気づいてやり直す。そこで発生した遅れは、その仕事の結果を待っている別の誰かにも影響を与えます。

「手戻り」を減らし最小化することが、チーム全体の仕事の効率を上げる極めて有効な打ち手となります。

「納期に対する真摯さ」が仕事の評価を決めている

残念な仕事のやり方③ 作業時間を見積もらない

仕事においてもっとも重要なものとは何でしょうか?

私が何より大事だと考えているのが「納期」です。仕事を進めるにあたって「作業を行う速さ」が評価を決めるとイメージする方も多いのですが、そうではありません。ほとんどの場合、定められた納期・締め切りを守ることができるか否か、で評価が決まります。

仕事には、「納期」や「締め切り」が必ず存在します。どんな業種や職種の、どんな仕事であれ、「いつまでにこの作業を完了してほしい」という要望もしくは合意があります。その時期までに完成、完遂することが期待されているはずです。

そして、多くの場合、その後ろに別の人の別の作業が予定されています。

たとえば、「この企画書を一週間後の12時までに提出してください」と上司に指示されたとします。

仕事ができない人は、期限ギリギリだったり、もしくは遅れて提出したりします。一方、仕事ができる人は、提出日の前日、もしくは当日の朝一に提出するでしょう。

また、納期内で品質を上げる努力も怠りません。一週間後をターゲットにするならば、その数日前に内容確認をする場を設定します。

さらに、依頼当日もしくは翌日に、おおまかな資料の構成や、伝えたい内容について依頼者である上司に確認します。そうした「確認タイミング」をあらかじめ見据えて、仕事の進め方を考えるわけです。