オープンな印象を与えるには手のひらを相手に見せること

手そのものは見えていたとしても、それが強く握りしめられていると同じ感覚になります。握った手は攻撃を連想させることもあり、そんなつもりはなくても拒絶感や敵意として相手に伝わっていくことがあるのです。

気がきく人は、積極的に手を、もっと言えば手のひらを相手に見せるようにしています。広げた手から、嘘偽りのないオープンな印象を伝えることを大事にしています。

とはいえ、わざとらしく手のひらを向けて机の上に置いたり、顔の横に広げたりするのはかえって不自然で、見ている方も落ち着きません。

では、どうしたらいいのでしょうか。

何かを「する」ことは、逆のことを「やめる」ということでもあります。つまり、自然に手のひらを見せるには、まず手のひらが隠れる行動をやめればいいのです。

・腕組みをする
・手を組んで置く
・頬杖をつく
・口を手で覆う
・ものを指すときに、指でさす

こういった行為は、失礼な印象を与えるというだけではなく、すべて手のひらが隠れる避けた方がいい行動です。これらをしないだけでも、相手を不安にさせることが少なくなります。

指で数えるときは、折りたたむのではなく広げる

その上で、手のひらをもっとうまく使うために、気がきく人がしているのは次のようなことです。

・相手に話を振るときや、相手のことを話すときには、手のひらを上に向けて差し出す
・ボディーランゲージには、拍手や手を合わせるポーズ、ハイタッチなど、手を広げて行う動作を多く取り入れる
・手で数字を数える際は、指を一本ずつ折りたたむ方ではなく、一本ずつ広げる方を使う

最後の数字の出し方は、プレゼンテーションや発表などの際にも使えます。

例えば「ポイントが5つあります。1つめは〜、2つめは〜」と言う際に、パーの状態にして親指から順に折っていくのではなく、グーの状態にして人差し指から順番に開いていくのです。話を追うごとに手がだんだん閉じていくより、だんだん開いていく方が、未来の可能性や広がりといった印象、そして手のひらからの安心感を伝えることができます。

「手の内を見せる」という言葉があるように、手には心が見えるものです。

手をうまく活用して、相手との間に信頼と安心の橋をかけていきましょう。