「気がきく人」と「気がきかない人」はどこが違うのか。産業カウンセラーの山本衣奈子さんは「日本語はたった1文字を変えるだけで、ニュアンスが変わる。1文字にこだわって、ニュアンスを味方につけてほしい」という――。
※本稿は、山本衣奈子『「気がきく人」と「気がきかない人」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
気がきかない人は語尾を「、」で終わらせている
日本語は、基本的に結論が語尾にくる言葉です。
例えば、「昨日、私は会社に行きました」という文章において、結論は「行きました」にあります。「昨日、私は会社に」だけでは、行ったのか行かなかったのかはわかりません。
日本語を聞く耳は、語尾までしっかり聞こうとするものです。語尾を聞き逃すと、結論がさっぱり理解できないからです。
ところが、気がきかない人の語尾は、濁したままプツリと消えるような話し方であることが多いです。次のように「。」で終わらず「、」で終わるイメージです。
理解度を聞かれると
「理解はできているのですが、」
参加の有無を問われると
「行こうとは思っているのですが、」
これは言い切ることへの不安であったり、自信のなさから出ていることがほとんどです。
語尾を濁らせると、理解しづらいだけではなく、意図せず何か含みがあるように響きます。言葉にされていない意味がそこにあるように聞こえるので、スッキリ伝わらず、誤解を与えてしまうことが少なくありません。