相手主体にすると伝える内容も変わる
他にも例を見ていきましょう。
【自分主体の理由】
①知り合いでやりやすい
②今使っている会社のサービスが良くない
この場合は次のように変更します。
①ランニングコストが下がる
②契約を結びたいホームページ会社が問い合わせ件数を増やしている実績がある
【自分主体の理由】
①店の雰囲気がよい
②飲み放題メニューがあり、たくさん飲める
③何か楽しいことをしたい
②の理由は一見、よいと思えるかもしれませんが、お酒を飲めない人もいます。
理由を相手主体に変えましょう。
①個室でゆっくり話せる
②価格が一定だから安心
③交流を図った方がいい
相手に刺さる根拠となるデータの使い方
根拠となるデータはどのようなものがいいのでしょうか。
まずは効果のある順番に触れていきます。
①聞き手(相手)がすでに信じている人のデータや意見
たとえば部長を説得したいケースで、部長が社長の言っていることを絶対だと思っている場合、「社長が〇〇と言っていた」と伝えれば反対しないでしょう。
たとえば、採用活動の一環として、応募者への自社紹介を目的としたYouTubeチャンネルを開設したいと思っているとします。
しかし、YouTubeを開設する場合、動画編集を外注するためコストがかかります。
また、実際にやってみなくては視聴者が観てくれるかわかりません。
仮に観てくれる人がいたとしても、応募してくれるかわかりません。
一方で部長は、従来通りに求人情報媒体Aを使った方がコストも安いし、手軽だと思っているとします。
この場合、まずは社長がYouTubeを開設するといいと言っていたと伝えましょう。
そのうえで、社長の言葉を次のように伝えます。
「社長が言っていたのですが、経営者仲間Bさんの会社で、YouTubeに力を入れてから、自社にピッタリの人材が応募してくるようになったそうです。
事前にどんなメンバーがいるか、1日の仕事の様子がどんなものかなど実際に働いている様子がわかるからです。自分に合っているかがわかるのが大きいと入社したメンバーも言っているそうです。
『入ってみたら、思っていた職場と違っていた』といったギャップもないので離職もしなくなったようです。
何より、番組を通じて自社のファンである人が入ってくるのでモチベーションも高いそうです」
このように伝えれば、部長もYouTubeを開設することを承諾してくれるでしょう。
他にも、「部長がよく読むビジネス情報誌Aに『YouTubeで採用に成功した』と情報が書いてありました」などと伝えるのもいいでしょう。
部長の信用する人物、媒体や書籍、ニュースを意見の裏づけとして使うのです。
話を通したい人が参考にしている人物、本、媒体などを把握しておけば、意見を通したい時のデータとして活用できます。